バックナンバー

**************************************************
京都産業保健総合支援センター メールマガジン  176号

  平成28年度 第1号 2016/4/1
        ホームページ:https://www.kyotos.johas.go.jp
        発行:京都産業保健総合支援センター 所長 森 洋一
**************************************************
————————————————————————————-
◇京都産業保健総合支援センター ホームページ情報◇

1)法人の代表者などが、自らの事業場の産業医を兼任することが禁止になります
                                                        <2016.3.10UP>
————————————————————————————–
**************************************************
◇ ストレスチェックについての私見 ◇
                    産業医学相談員 坂田 晃一

 4月から相談員になりました坂田と申します。20年前から現在まで製造業で専 属産業医をしており、今年1月から勤務先が関西に変わっています。今後ともよろ しくお願いいたします。
 初めての投稿になりますので、どのようなテーマにするか悩みましたが、多くの 方が関わっており、おそらく一旦は落ち着き感をみせてきたストレスチェック制度 について、これまでの経験をもとに書いてみたいと思います。この制度が始まるま での審議段階での紆余曲折や決定後の導入までの騒動は大変なものでした。各事業 所では、産業保健スタッフと会社側関連部門との頻回の打ち合わせが行われ、目新 しい施策として一致団結できたところもあれば、お互いの腹の内が垣間見え、今後 の関係継続に不安を感じているなど様々であると思われます。私自身はちょっと早 急にパンドラの箱を開けてしまったような感はあります。
 この制度の本来の目的は、労働者自身のストレスへの気付きを促すとともに、職 場改善につなげ、働きやすい職場づくりを進めることによって、労働者がメンタル ヘルス不調となることを未然に防止すること(いわゆる一次予防)です。専門機関 から提案されているストレスチェックの個人結果表をみますと、内容はかなりわか りやすく書かれており、自身のストレスへの気づきには繋がると思われ、受診者が 正直に回答すれば、期待に見合うものになるのではと思われます。もう1つの職場 環境に関する集計結果については、かなり心配な点があります。私の経験では、5 7問では職場環境改善に結びつけるにはもう少し何かヒントがほしいという捉えら れ方が多かった印象でした。今回は各専門機関の努力もあり、大規模の事業所など では多くが100問以上の問診票が使用されることが多いように聞かれます。職場 診断を初めて実施するところでは、情報過多感が強く感じられることが予想され、 消化不良を起こす可能性があります。また、結果を受け取る上司は「上司としての 評価」を受けとったと考え、どうしても良いところでなく、「何が悪いのか」に目 がいってしまいます。質問が多ければ多いほど何らかの悪い点が洗い出されます。 ただ、それがすべて改善されるべきことであるのか、改善できるものかは別だと思 われます。どこの事業所にも職場風土があり、良いところは必ずあります。今回の ストレスチェックが業者選定や高ストレス者対応への準備で疲れ果ててしまった感 が強く、これから初めて目にする職場診断結果への対応は全く間に合っていない気 がします。結果が出てから、訳がわからないまま急いで上司に職場改善計画案を作 成させるような事業所が沢山出てしまわないか、このことが原因で職場風土が良く ない方向に変わったりはしないかと私は危惧しています。

********************************************************
◇ メンタルヘルス促進員を経験して ◇
               メンタルヘルス対策促進員 糸井浩文

 今回、「メンタルヘルス促進員を経験して」という内容で、寄稿を依頼されたと ころですが、昨年4月に促進員となって以来、活動らしい活動はほとんどしていな いので、本来であればおことわりしなければと思いながらも、最初で最後の仕事の つもりでお引受けしました。
 唯一、活動らしきことをしたのは、京都市の主催する「くらしとこころの相談 会」に相談員として派遣されたことです。
 この相談会では、さまざまな問題を抱えた方が、専門家などに悩んでいることに ついて相談できるというものであり、私は労働問題の相談員という立場で派遣され ました。他に、弁護士、保健師、臨床心理士といった専門家や僧侶、自死遺族の会 といった立場の方々も相談員として来られていました。
 相談会は1つのフロアーでおこなわれましたが、パーテーションで間仕切りがさ れており、ほぼ個室に近い状態でしたので、何が話されているのかはほとんどわか りません。また、この相談会は予約制でしたが、空きがあれば時間を変えて、複数 の相談員と相談ができるといったシステムでした。私自身も、事前に予約されてい た2人の方の相談を受けました。
 ひとつ驚いたことがありました。それは相談会が終了した後、「カンファレン ス」と言われる報告会があり、「本日このような相談があり、それについてどのよ うな対応をしたのか」を発表しあうというものでした。
 どの相談者の報告も、熱心に話を聴かれている様子がうかがえるものであり、な かにはこの相談会に何回も足を運ばれている方や状況がかなり切迫している方もお られたようで、特定の相談者について意見交換が交わされる場面も見受けられまし た。
 本来の促進員としての仕事ではなかったものの、相談者としての幅を広げる意味 で、良い経験をさせていただきました。
 また9月には企業の管理職を対象としたメンタルヘルス対策の研修で、他の促進 員に同行させてもらい、研修の場に立ち会わせていただきました。
 初めてのことでもあり、自らが企業の支援を行う立場として、他の促進員が講師 としてどのような研修をされているのか、参考にさせてもらうつもりで、立ち会わ せていただいたものですが、私自身の事情により、一度もお引き受けすることなく、 実現には至りませんでした。
 以上が、昨年4月に促進員になってから、今日まで経験したことのすべてになり ます。
 もともと、メンタルヘルス対策には公務員として労災補償の仕事をしていたこと もあり、以前から関心がありました。ここ最近、「健康経営」という言葉がクロー ズアップされるようになり、企業が「経営」という側面からもメンタルヘルス対策 に向き合わざるを得ない状況になってきています。このように、企業の考え方も変 化していく中で、これまでの経験や知識を生かしながら、メンタル面の「予防」と いう視点で何かしら関わっていきたいと思うようになったことが、促進員になった 理由です。
 おりしも、平成27年12月よりストレスチェック制度が施行され、これを機に企業 にとって「健康経営」という意識がますます強まっていくものと思われます。そう いった意味で、ますます促進員がはたす役割は重要になってくるのではないでしょ うか。
 再び促進員の立場で、仕事をさせていただく機会があるかどうかはわかりません が、今後も何かしらの形でメンタルヘルス対策については、関わっていきたいと考 えています。
********************************************************
◇ストレスチェック制度について◇
  *「こころの耳」に「ストレスチェック制度」についてまとめられています。
    制度に関する新着情報をチェックできます。
     → http://kokoro.mhlw.go.jp/etc/kaiseianeihou.html

  *「厚生労働省版ストレスチェック実施プログラム」が公開されました。
     → http://stresscheck.mhlw.go.jp/
            
  *「長時間労働者、高ストレス者への面接指導に関する報告書・意見書作成
     マニュアル」が公表されました。
     → http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei12/manual.html

********************************************************

◇平成28年4月1日統合により機構名称が
 『独立行政法人労働者健康安全機構』に変わりました。

  これに伴いメールアドレス、ホームページURLが変更となりました。    

  独立行政法人労働者健康安全機構 京都産業保健総合支援センター
    (新URL)    :www.kyotos.johas.go.jp
    (新メールアドレス):info@kyotos.johas.go.jp

   ※ホームページもリニューアルいたしました。

********************************************************
◆産業保健に関する各種研修会のお知らせ◆
  https://www.kyotos.johas.go.jp/training 

 ※4月~6月研修会を掲載しております。奮ってご参加下さい。
 ※当センターが実施する「産業医研修会」について、付与できる単位は
   「生涯研修」のみとなります。
  「基礎研修」を受講される方は、京都府医師会主催の研修会をご覧ください。
  http://www.kyoto.med.or.jp/member/sports/index.html

◆京都産業保健総合支援センターホームページ◆
  https://www.kyotos.johas.go.jp

◆京都産業保健総合支援センターご利用案内◆
  https://www.kyotos.johas.go.jp/about

◆相談のご案内◆
  https://www.kyotos.johas.go.jp/consultation

◆図書・教材のご案内◆
  https://www.kyotos.johas.go.jp/material

◆産業保健トピックス◆
  https://www.kyotos.johas.go.jp/archives/news

◆メンタルヘルス対策支援サービスのご案内◆
  https://www.kyotos.johas.go.jp/mental
◆メールマガジン(バックナンバー)◆
  https://www.kyotos.johas.go.jp/mailmagazine/back-number

********************************************************
メールマガジン配信のお申込み、お断り、お問い合せ、ご質問等は
京都産業保健総合支援センターまで
 ○MAIL:info@kyotos.johas.go.jp
 ○TEL:075-212-2600
********************************************************
発行人:森 洋一 
編集人:真下 尚之 info@kyotos.johas.go.jp
編集協力:京都産業保健総合支援センター産業保健相談員
発行/配信:京都産業保健総合支援センター https://www.kyotos.johas.go.jp