産業保健コラム

辰巳 朋子


所属:田辺三菱製薬労働組合契約公認心理師・臨床心理士

専門分野:臨床心理学・産業カウンセリング

カウンセリング担当相談員より

2015年4月1日

 4月は、始まりの季節。いかがお過ごしですか? 新しく始めることはなかなか難しいもので、いろいろな気分を引きずっていることも多いように思います。そして、この時期の心理相談では、取り残された感をお聞きすることが増えてきます。
 新入社員さんはそろそろ慣れてきておられますか? 「叱られたこと」と「いじめられた」ことが、区別されずに語られることもあり、気になります。若い人から、先輩という存在は、「自分を育ててくれる人ではなく、いじめられるかもしれない人」とお聞きして、戦慄を覚えました。敵かもしれないところから人間関係が始まるのですから、パワハラの課題は、職場の重要なテーマです。
 参考までに紹介すると、「明るい職場応援団」で検索すれば、パワハラに取り組む際に役立つ情報がいろいろ掲載されています。これは、厚生労働省によるホームページで、研修資料や裁判事例、実際の企業の取組み紹介など盛りだくさんです。無料セミナーの案内もあります。
 京都産業保健総合支援センターでも2月に、パワハラをテーマにした研修をしました。職場の気になる関係について、一方が潰れそうになっているのを心配して見守り方々が、どのようにこの問題に取り組むにはどうしたらよいか、話合いを通して考えました。参加された方の業種は様々でしたが、人についてのお話として盛んな意見交換となりました。
 現在、職場にいる先輩方が若輩だった頃は、面倒を見てくれる先輩がいて、一緒に話す機会もいろいろあったことでしょう。そんな時にも、「これはやりすぎじゃないか」と感じた先輩方の言動はありませんでしたか。そのあたりから、職場での振る舞いについて、現在の若輩達と語り合ってみてはいかがでしょうか。

辰巳 朋子