産業保健コラム

和田 昌子


所属:メンタルリンクエイド

専門分野:産業カウンセラー・キャリアコンサルタント

思い出旅行

2018年7月2日

 最近、事業所の「心の健康づくり計画」のお手伝いをさせていただいて
おりますが、なかなか、事業所独自のイメージは湧きにくいと言われるこ
とが多く、ホームページにアップされた「心の健康づくり計画」のひな形
を元にアドバイスしております。ひな形にとらわれず、もっと自由に作成
していただくのも、実感が持てるのかと思います。

 

 実際、心の健康とは?と私自身改めて考えることがありました。今年に
入り、広島の一人暮らしの母が要支援状態に入りました。
母はこれまで一人暮らしを楽しんでいましたが、気分が落ち込んでいる
様子。あんなにおしゃべりだった母が、口数も少なくなって、デイケア
センターも行きたがらず本人としては、認知症の初期であるといことが受
け入れられず、鬱状態が続いておりました。
 何か気が晴れることはないかと思い、そういえば、「いつか新婚旅行に
行った熊本の杖立温泉に行きたい」といっていたことを思い出し、思い
立ったが吉日、この春、母娘二人レンタカーの旅に出かけました。
 走ること1000キロ。この杖立温泉は、杖をついてきた旅人も帰りは
杖を立てたまま、忘れて帰るという名湯。本当に素晴らしい温泉です。
レンタカーが走り進むごとに、母のおしゃべりが増し、笑顔がみられ、
温泉に入った時には、認知症も間違いじゃないかと思うような、いつもの
母。楽しい母娘旅。宿の人の話に母娘で耳を傾ける。
「井上陽水の歌詞にある“ホテルはリバーサイド”って、この川とあの向
かいのホテルがモデルなんですよ」
って話に親子でへーっほんと?などと言いながら、お酒を酌み交わす。
楽しい時間は過ぎる。
 その後の母といえば、今のところ、ご機嫌な状態が続いている、旅の
途中に道の駅で買った花を庭に植えたので、せっせと水やりをして、
成長を電話で報告してくれる。

 

 私も「母娘心の健康づくり計画」を作成してみた。
  ・思い立った時、母娘旅に出る。
  ・離れていても電話で想い出に花を咲かせる。
まっ、2つでも良いか!?何はともあれ実践しよう。心の健康づくり計画
は形にとらわれず、出来そうなこと、やればいいと思うこと、何でもやっ
てみてくださいイメージが湧かないときはお手伝いさせていただきます
職場が快適な場であることを願い、まずは一歩踏み出してみましょう。

和田 昌子