産業保健コラム

花谷 和雄


所属:花谷社会保険労務士事務所

専門分野:社会保険労務士・産業カウンセラー・キャリアコンサルタント

最近取り組んでいること

2023年11月1日

最近、尺八の音色に興味を持ち、習うことにしました。まだまだ十分に音を出せないのですが下手なりに楽しく、柔らかく心にしみこむような音色に癒やされています。 やっているうちにカウンセラーの性なのかこの音色をメンタルケアに使えないかと考えるようになりました。
そこから芸術療法と言う心理療法があったとこを思い出しました。
芸術療法と言うのは、ご存じのように「さまざまな芸術作品を創造する活動に従事することを通じて、心身の健康を回復することを目的とする心理的治療全般のこと。」と定義されています。
これらのほとんどが実践のなかからその効果が経験的に評価されたテクニックが発展してきたもので、“絵画(描画)療法” “音楽療法” “詩歌療法” “箱庭療法” “陶芸療法” “コラージュ療法” “舞踏療法”などが挙げられます。
この概念を応用すれば尺八も十分芸術療法に使えるのではないかと考えました。
数ある楽器の内でも尺八は、金属を全く使用せず竹という天然素材のみを使った楽器なのでその音色は、まろやかで自然な流れで耳に入ってきます。
また、尺八の吹奏の方法は、腹式呼吸そのものです。尺八は、吹奏楽器なので肺活量が必要とか強く吹かないと音が出ないのではと思われますが実際には漏れる程度の息で演奏するので正にリラクゼーションで行う呼吸法そのものなのです。
尺八は、「首振り3年」と言われているように尺八を手にしても殆どの人が直ぐには音を出せません。従って音を出せるようになると言うことが成功体験に繋がりコントロール感を得られます。
これらの効果を総合して私は、音楽療法の派生として尺八を使ったセラピーを模索中です。
ただ、クライエントが心身共に楽器を扱える程度の健康状態であることが条件となるのでハードルは高いのですが尺八演奏は、年齢性別に関係なく出来ますので応用範囲は広いと考えています。また、音楽を通じて得られる心の安らぎや満足感は、良好な結果が期待出来そうです。
たまたま、協力してくれる友人に恵まれて手探りですが実験中である程度の手応えを感じています。具体的なプログラムを作成するには、もう少し時間がかかると思いますがカウンセラーとしての集大成としてこの計画を実現したいと考えています。

花谷 和雄