産業保健コラム

西村 和記


所属:SRオフィス西村

専門分野:特定社会保険労務士・産業カウンセラー・キャリアコンサルタント

「満足度・生活の質に関する調査」のご紹介

2021年1月5日

 幸福と感じるのは人によって様々な分野や優先度があると思われますが、幸福度は測ることができるのでしょうか?コロナによって幸福度はどの程度の影響があったのでしょうか?手っ取り早く幸福度をあげる方法はあるのでしょうか?

 

 内閣府が「満足度・生活の質に関する調査」を行い、その報告書が令和元年5月の第1次から、令和2年9月に第4次報告書を出しています。また「新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査」結果が令和2年6月に公開されています。

 この調査の結果をいくつかご紹介いたします。点数はそれぞれの質問につき「全く満足していない」を0点、「非常に満足している」を10点として11段階になっています。

 

 総合主観満足度は男性と女性では女性の方が高いです。10年区分で男女とも若年層より25歳から59歳まで低くなっていき、60歳を超えると急激に上昇します。現役世代、責任世代は苦労が多いのかなと思いました。世帯年収別の総合主観満足度では、最高点と最低点の差が1.83になりますが、3000万円を超えると下がりはじめ、1億円以上の方が700万円以上の区分より低くなっています。健康状態の満足度が「よくない」~「よい」の点数差が最も大きく、3.96です。友人との交流を持つ人と、持たない人の差は2.04、趣味・生きがいのある人、無い人の差は、1.81です。「趣味・生きがい」や「友人との交流」の差が年収満足度の2000万円分の差とほぼ同じ点数になるくらい大きな意味を持つのかと驚きました。他に「ボランティア活動(町内会活動やその他なんらかの金銭以外での交流活動)」を行う人は総合主観満足度が高くなります。このあたりに幸福度を上げるコツがあるのではないかと思います。

 

 5月25日の緊急事態宣言解除後の調査では、生活全体の満足度が1.48下がり、「生活の楽しさ・おもしろさ」の満足度は1.95下がりました。女性1.70の方が男性1.26より大きく下がりました。対話人数の低下も男性より女性の方が大きく下がっています。一方で「新しいことへのチャレンジ」を10歳代~30歳代で取り組み始めた人も過半数%となっています。「生活の楽しさ・面白さ」は総合主観満足度ともっとも相関が高いものです。楽しさ、面白さを見つける姿勢を大切にしたいものです。

西村 和記