産業保健コラム
武田 理栄子
所属:
専門分野:シニア産業カウンセラー・キャリアコンサルタント・心理相談員
田舎町のコーヒー豆焙煎店のエピソード
2026年3月2日
私は京都府北部の福知山と京都市内を行き来しながら促進員の活動をしています。
福知山は人口7万の町で、10年前に私立大学を合併し公立大学を創立し若者が増えました。そのずっと前には福知山城を復元する運動が起こり、天守閣が再建され、街のシンボルになり水害から町を守る「明智藪」や石垣に「墓石」を用いた城で有名です。
十数年に渡る大河ドラマの招致運動がやっと実を結び「麒麟が来る」はずでしたが、コロナで失速してしまいました。町はアレやコレやと地元を盛り上げる施策を打ち出してはいるのですが、少子高齢化の波は、すごい速さで町を呑み込んでいっているように感じます。
縮んでいく田舎町に、都会の雰囲気を漂わせたコーヒー豆の焙煎ショップができました。店主は珍しいキャリアです。大手製造会社に長年勤めた人ですが、再雇用の道を選ばず定年の少し前で会社を辞め、神戸で修業をした後、自分の店を開かれました。店はおしゃれなブティックの一角です。取り寄せられた世界各地の豆が、麻袋に入れられセンス良く並べられていて、ガラス越しに隣接するブティックの雰囲気を壊さないように店内がしつらえてあります。焙煎機は煙突状でスケルトン。自分が買った豆の焙煎を見ることができます。待ってる間に店主が入れたその日のコーヒーがサービスされます。
常連客の若い人は、たまに店主に製造現場の困りごとをつぶやきます。すると店主は自分が経験したことを控えめに伝え、若者の凹んだ気持ち、迷いの気持ちに寄り添います。店主は仕事を辞めてからも、自分の経験が若い人の役に立つことはとても嬉しいと語ります。
誰かの役に立つことは自分の幸福感を満たします。退職後の人生も長く続きます。
迷い過ぎず、悩みすぎず、落ちこまず、健康で暮らせますように。
武田 理栄子















