産業保健コラム

金丸 京子


所属:金丸社会保険労務士・行政書士事務所

専門分野:特定社会保険労務士・産業カウンセラー・2級キャリアコンサルティング技能士

言葉のもつ力

2021年7月1日

4月下旬に、1週間以上かなりの高熱を発していました。幸い、順調に快復して今は普通の生活に戻っています。発熱中は、身体のしんどさもさることながら、心の中では、「いつまで続くのだろう、そもそも回復できるのだろうか?元の生活に戻れるのだろうか?」といった不安にも襲われました。

 

そんな時、ある方から、その方のご経験・体験を踏まえた上で、温かな励ましの言葉を落ち着いた語り口でかけていただきました。その方の、ご経験・体験にもとづくという根拠ある中での励ましは、「もしかしたら私も大丈夫かも。」と前向きに気持ちを向かせてくれました。又、回復途中で診察をして下さった男性の医師に、「以前に比べればずいぶん回復してきたとは思うのですが、それでもまだ発熱が続くのかと思うと不安で、もう精神的に一杯なのです。」と訴えたところ、検査結果を踏まえた上で、冷静に、でも優しく丁寧に話をして下さいました。その時かけて下さった言葉により、その瞬間から、全身に「安心感」がしみわたりました。その時の私には、まるでそれは、「魔法の言葉」のように思えました。正直、その日を境に、自分自身を悩ませていた症状がぴたりとやみました。不安な気持ちもおさまりました。早く回復できるように、できるだけのことをしていこうと思いました。

 

私は、平成22年8月からメンタルヘルス対策促進員をさせていただいています。今回の自分自身の病気の経験は、これまでの支援を振り返る機会にもなりました。

これからは、今回の経験を踏まえ、病気になって心身ともに回復し、気力・体力が戻ってくるまでの間、自分なりに工夫したことを伝えていけたらと思います。例えば私の場合には腕や足腰が弱っていたので、家の掃除をしました。掃除は、身体のいろいろな部分を使います。また客観的にみて部屋はきれいになるので、一定の達成感も得られます。掃除をしている間は、気持ちがそこに集中するので仕事を再開するにあたり、良かったと感じています。一つの事例にすぎませんが、もしご参考になれば幸いです。

金丸 京子