産業保健コラム

勝見 九重


所属:スリー・バイ・スリー 勝見社会保険労務士事務所

専門分野:特定社会保険労務士・産業カウンセラー・キャリアコンサルト

なんとかの手習い

2020年8月3日

 昨年12月からジャズピアノを習い始めました。何を今頃…と思うかもしれませんが、実は私の社会人職歴の最初の職業はヤマハエレクトーン講師。一応、音楽でご飯を食べさせていただいておりました(最初の何年かはまったく食べられませんでしたが)。
 担当するコースによりピアノを弾くことも増えてきました。「ピアノが下手」なのに生徒さんの前で弾くのは実は辛かったのです。

 

 講師採用試験のために20歳から始めたピアノ。もちろんクラシックです。5歳からエレクトーンは続けていたけれど、ピアノは全く初めて。同じ鍵盤楽器ですが、まったく違う楽器なのです。最初は鍵盤が重くてまったく弾けませんでした。頭の中ではピアノの美しい音色が鳴っているのですが、実際の音はひどい限り。ピアノの前に座るだけで、肩に力が入って緊張する⇒弾くのが下手⇒やっぱりダメだ⇒緊張する…悪いループにはまっておりました。もう「ピアノが下手」なことがトラウマになってしまいました。
 でもいつか大好きなJAZZの曲をかっこよく弾き語りしたり、バリバリにアドリブが弾ける自分になりたい夢は忘れていなかったのでした。

 

 何となくピアノ教室とかピアニストの先生を探していたのですが、ふと目に留まった先生がいて、思い切って始めてみることにしました。まさに「なんとかの手習い」。
最初のレッスンではものすごく緊張して大失敗。「何か弾いてください、なんでもいいですよ」との言葉に一応練習していた弾き語りの曲を弾き始めたのはいいけれど、手は震えるし間違えるし、歌と曲のバランスは悪いし…。恥ずかしいものでした。
大丈夫かしら、と冷や汗をかきましたが、先生が教えてくださったのは「ピアノの弾き方」つまり「ピアノのタッチ」でした。
 目から鱗でした。ピアノが下手だったのはこの「タッチ」のせいだと分かったからです。何十年も悩み続けたことが1度のレッスンで解消されるなんて・・・。とはいうものの、まだまだうまく弾けませんが、できた時は本当にうれしいものです。

 

 やっとレッスンに慣れたころ、コロナ禍で音楽教室自体が3月から5月まで休業になりました。6月から再開されて今も通っております。久しぶりのレッスンは宿題も出るし、練習もままならないこともありますが、愛する音楽に触れられる機会を得て、楽しく続けております。NO MUSIC NO LIFE。

勝見 九重