産業保健コラム

岩澤 正明


所属:岩澤労働衛生コンサルタント事務所

専門分野:労働衛生コンサルタント・産業カウンセラー

セルフケアの実践と働きやすい職場づくりの更なる推進

2017年6月1日

 

 5月の大型連休は好天に恵まれ、兵庫県三田市の永澤寺近くの「花のじ
ゅうたん」へ行きました。一面に広がる美しい芝桜は、期待どおりの美し
さで気分転換が図れました。6月に入りましたが、梅雨の合間に自然に触
れながらリフレッシュするのも楽しみです。
 さて、「メンタルヘルスケア」の最近の状況を見ると、精神障害の労災
請求件数が過去最高、自殺死亡者が先進国の中ではトップといった記事が
目に入ります。自殺者は年々減少傾向にありますが、2万人以上の方が年
間亡くなっているという深刻な状況に変わりはありません。今後、減少に
向けての国の施策も示されるとは思いますが、重点テーマは過重労働や、
職場の人間関係による自殺対策が挙げられ、企業におけるメンタルヘルス
対策の更なる充実が必要と考えます。
 昨今、問題視されている、過重労働によるメンタルヘルス対策について
は、働き方改革と連動し、その仕事が本当に必要なのかという視点に立ち
見直すことがまず重要と云えます。併せて、一人ひとりが「適度な睡眠」
「早めの休養」、「区切りをつけてリフレッシュ」することが、基本であ
り大切な点は変わりません。
 一方、現状の職場では周囲に迷惑をかけたくない、上下関係を重視する
あまり、早く帰ったり、休暇が取りにくい雰囲気があるのが実態ではない
でしょうか。
 予防の観点から、ストレスチェックによる高ストレスの早期気づきと対
処など自己健康管理の推進と組織ぐるみで、働きやすい職場づくりに向け
て、できることから職場環境改善を進めていくことが、重要になっている
と考えます。

岩澤 正明