産業保健コラム

岩澤 正明


所属:岩澤労働衛生コンサルタント事務所

専門分野:労働衛生コンサルタント・産業カウンセラー

最近の気になる話題から

2025年12月1日

 最近は私たちを取り巻く環境、特に気候の変化を感じます。春、秋が短く、夏、冬の2シーズン到来かと思わせ、大好きな秋が短くなるのは残念でなりません。秋の紅葉と味覚が楽しめるこのシーズンは魅力的です。
 12月に入り、師走という言葉のとおり、仕事も日常生活も忙しくなります。あっという間に過ぎていく昨今。少し落ち着いて過ごす時間も必要でしょう。忙しい毎日を送る中で趣味や楽しみを見つけることが、健康的な生活を送るうえで欠かせないことではないでしょうか。

 

「精神障害の労災請求件数の増加」厚生労働省発表資料「過労死白書」より

 10月に厚生労働省発表資料では、令和6年度の精神障害の労災認定が、1,055件と初の1,000人越えで過去最多。労災請求件数も年々増加し3,780件と平成22年度の3倍以上となった。内容では、女性の事案の増加。業種別では医療・福祉がトップ。精神障害の要因では対人関係、パワハラといった職場環境に関する出来事が、令和4年から令和6年にかけて大きく増加となっている点がトピックスである。対策として、12月は年末に向け業務が繁忙になるため、ストレスからハラスメントが発生しやすくなることから、この時期に毎年、厚生労働省では「職場のハラスメント撲滅月間」として展開されますので、あらためて職場のハラスメント防止に向けての取り組みが必要と考えます。

 

 一方、コンプライアンスの視点から見れば、ハラスメントなどのコンプライアンス違反を放置すると、これらは紛争や訴訟の原因となり、企業の信頼を損なうだけでなく、事業継続にも影響を与えることに繋がります。ハラスメント対策と従業員のメンタルヘルスを適切にケアすることは、CSR(企業の社会的責任)からも不可欠ではないでしょうか。もちろん心の健康が良好な状態であることが、コンプライアンス遵守の土台にもなるといえます。コンプライアンスとメンタルヘルスは別々の概念ではなく、企業の持続的な成長のために相互に深く関わっていると言えます。
「コンプライアンスとは」
企業の従業員や役員が、企業活動において、法令や社内規程、さらには社会的な規範・倫理に則って行動すること。(企業活動におけるリスクを最小限に抑え、社会からの信頼を得るために不可欠なものといえます)

 

【ハラスメント対策はどうしたらいいのでしょうか】
 上記の状況から、ハラスメント防止を進めるための具体策などの情報はどこを見たらいいのでしょうか。厚生労働省委託事業「働く人のメンタルヘルスポータルサイト『こころの耳』ではパワハラ(パワーハラスメント・職場のいじめ)に関する情報が得られます。更に、職場のパワーハラスメントに関する詳細は「あかるい職場応援団」を検索すれば、ハラスメント関係資料のダウンロードもできます。ハラスメント対策研修動画も掲載されていますので、より具体的に事例と対策の理解が進むと思います。また最近話題になっているカスタマーハラスメントについては、業種別の取り組み支援内容やカスタマーハラスメント対策企業事例などが紹介されていますので参考に取組んで下さい。
メンタルヘルス対策のお問い合わせなどは、下記へお気軽にご相談下さい。

 

メンタルヘルス対策支援サービス
 https://www.kyotos.johas.go.jp/mental
働く人のメンタルヘルスポータルサイト『こころの耳』
 https://kokoro.mhlw.go.jp/
明るい職場応援団
 https://www.no-harassment.mhlw.go.jp/

岩澤 正明