産業保健コラム

岩澤 正明


所属:岩澤労働衛生コンサルタント事務所

専門分野:労働衛生コンサルタント・産業カウンセラー

こころの「よもやまな話し」

2023年7月3日

早いもので7月になり、折り返し地点を通過しました。私たちの生活に関わる今月の「7」の数字にまつわることを挙げてみます。ラッキー7、七福神などや映画では007、七人の侍がヒットしました。七つの習慣もベストセラーの書籍で有名。香辛料の七味唐辛子や無病息災を願った七草粥は身近なものです。七転八起という言葉が好きです。「何度失敗してもくじけず、立ち上がって努力すること」という意味ですが、人生には浮き沈みが多いと捉えれば、嫌なことが7つあっても、良いことが8つあると考えることです。嫌なことがあったときや失敗したときは、辛いですが、この言葉を思い起こし次には良いことが必ずあると信じることにしています。辛い仕事を依頼されたときは準備から仕事が終わるまで「しんどい」のですが、やり遂げた後の達成感は疲労感を上回ることが多いと思っています。仕事を着手する前に、終わった後のささやかな楽しみを考えておくと、気分が和らぐのではないでしょうか。「頑張った自分へのご褒美」も良く耳にしますが、頑張れる秘訣の一つでしょう。7月7日は七夕です。世界平和が共通の願いなのは疑わないことです。一方、人間の希望や欲望は無限大。健康で、ごく普通の生活が送れることが幸せなこととは思っていながら、大きな夢を追いたくなるのも正直な気持ちです。

 

【おしゃべりの効用】
色々な方との会話で心が和むことは、誰しも経験していることではないでしょうか。「話す」の語源について鎌倉時代の宇治拾遺物語に言葉を発するという意味の「はなす」として用いられていて、「話す」の語源は「放す」ということのようです。会話で、気持ちや思いを「はなす」のですが、それが「思いを放つ」ことであり「心を放つ」こととなり、ストレス発散にも繋がるわけです。
対面で話すことができなくても、言語が違っても、声を発することができなくても、最新のハイテクのツールなどが会話の手助けしてくれる時代になりました。頼りになる強い味方が増えたものです。「はなす」ことが、活力の源になるわけで、こころの栄養は「おしゃべり」から得られるのではと思い、多くの方との会話を大事にしています。

 

【一日一生】
辞書に記載されている四字熟語ではありません。最近、読んだエッセイで「一日一生(いちにちいっしょう)」の言葉が気になり意味を,調べてみました。「一日は貴い一生なので、これを空費してはならない」が一つ目、「今日を一生のように生きよ、明日はまた新しい人生である」が二つ目、「一日一日を全生涯と思って生きなさい」が三つ目です。今日が終われば新しい明日が始まるということです。過去は振り返らないで、今日一日を大事にしようという前向きな意味が込められている言葉であり、いい響きがありました。忙しく追われる日々ですが、気持ちを落ち着けて「一日を大事に」を思い起こしながら過ごしていきたいものです。

 

【メンタルヘルス対策(相談窓口)】
昨今のメンタルヘルス対策は、行政機関や関係機関、事業場など各方面からの予防対策のPR・周知、地道な支援活動、事業場の自主活動などが推進され、理解が深まってきていると思われます。一方、職場でのメンタルへルス問題は、初期には潜在化している面があり、顕在化したときには大きな問題になっていたケースも見受けられます。そうした状況の中で、各事業所の総合的なメンタルヘルス対策の中で、相談体制の確立が重要と考えます。相談窓口に「気軽に早めに相談」ができることは大事なことで、早期発見・早期対応に繋がります。「駆け込み寺」的に相談できる場所は労働者の安心に繋がります。事業所訪問時にメンタルヘルスの問題はありますか?と尋ねると「ありません」と回答されることがあります。相談窓口についてお聞きすると、設置していませんと残念な回答。メンタルヘルス対策として潜在的な問題を吸い上げ、対応することが大切なことは前に述べたとおりです。未設置の場合は相談窓口の開設検討、設置済の事業場では現状を確認され、必要ならば見直しなどをされては如何でしょうか。
メンタルヘルス対策に関するお問い合わせなどは、下記へお気軽にご相談下さい。 
メンタルヘルス対策支援サービス

 https://www.kyotos.johas.go.jp/mental

岩澤 正明