産業保健コラム

岩澤 正明


所属:岩澤労働衛生コンサルタント事務所

専門分野:労働衛生コンサルタント・産業カウンセラー

最近メンタルヘルスについて考えたこと

2014年10月1日

10月に入りました。天候不順な今年の夏も過ぎ去り、味覚、スポーツ、読書の秋のシーズン到来です。私はここ数年、家から一時間ほどで行ける丹波篠山
へ黒枝豆を求めに出かけるのが恒例になりました。販売の解禁日を問い合わせたところ、今年は10月5日とお聞きしました。道路沿いに販売所がいくつも
出ているので迷いますが、どこで買い求めても間違いないもので、大きな黒枝
豆は絶品です。どうしてもこの時期は「食いしんぼ」になってしまいがちですが、体重のコントロールを意識して、秋の味覚を楽しみたいと思います。

<最近の労働安全衛生法改正から>
 さて10月1日から7日までは全国労働衛生週間が展開され、皆様方の事業
場などに於かれましても、種々な行事が計画されていると思います。スローガンは「みんなで進める職場の改善 心とからだの健康管理」で心身両面の健康管理の取り組みが今年も展開されます。
先般、労働安全衛生法が改正され、メンタルヘルス面では職業ストレスチェックが50人以上の事業場で実施が義務付けられました。労働者側の受診義務は
なく、今後どれだけの方が実施するかはわかりませんが、個人のメンタル不調
の把握に加え、不調者の多い職場には、人間関係を含め職場の問題があることを覗わせます。それぞれの職場問題の現状把握の一つともいえます。特定の職場に問題点が多ければ、その職場へメンタルヘルス研修の実施等を計画するなど、働きやすい職場づくりを推進するためにもアプローチが重要になってくると考えます。

<関係部門との連携強化>
 最近目立ってきている、職場のパワハラ、セクハラなどの問題は人事労務
 担当 部門が担当する場合が多いとは思いますが、被害者はメンタル不調に
 陥るケ ースもあり、対応は、職場、産業医、専門医、主治医、安全衛生担当、人事各 担当などが連携を密にして問題の解決と健康管理面両面での対応を進めていくことが、求められています。

最近、面談対応で数人の方とお会いしています。攻撃的な方や気分が落ち込んで辛そうな方などが来られ、問題の背景は多種に渡っています。その場で対応も迫られることもあり苦慮することも多く、面談後は疲労感が高まります。クールダウンの時間が必要になり、自分の中で引きずらないように区切りをつけるようにしています。対応については、事例に接して経験を積むことや、事例検討会などに参加し専門医の意見や参加者のコメントを伺って参考にしています。こうした交流を深めることが、非常に有益なものになると確信しています。業務や対応に追われることもありますが、時間を見つけて、研修会や勉強会には積極的に顔を出すよう心掛けています。
あるとき産業医から、「労働衛生に携わるものは、”生涯学習”が必要なんだ
から勉強を怠らないこと」という言葉を思いだしながら、日々励んでいる毎日
です。

岩澤 正明