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治療と仕事の両立支援:こんな相談がありました②事業場から

 前回に引き続き、「治療と仕事の両立支援」についての相談事例をご紹介します。今回は事業場からの相談です。

 まず休職した従業員の方がおられた小規模事業場からの相談事例です。主治医からは「あなた(従業員)が大丈夫なら復職していいですよ。」と言われたとのこと。事業場としては「通院治療は続けるらしいけど、本当に働いても大丈夫?」という不安があったようです。ご本人、主治医、事業場との情報の連携がもっとできれば良いと感じました。この事例では「治療と仕事の両立支援のためのガイドライン(以下、ガイドライン)」をご本人と担当者にご紹介し、主治医から今後の治療計画や必要な配慮の説明を受けることをお勧めしました。当面は、こまめな面談でご本人の体調と治療計画を確認しながら勤務調整をしていくことになりました。

 「従業員が病気になる前に両立支援制度を整えたい」という相談もあります。ガイドラインの中の「両立支援を行うための環境整備」を抜粋しますと、望ましい取り組みとして「①事業者による基本方針等の表明と労働者への周知」や「②研修等による両立支援に関する意識啓発」「③相談窓口等の明確化」「④両立支援に関する制度・体制等の整備」があります。制度・体制等の整備の具体例は、神奈川産業保健総合支援センターから「治療と仕事の両立のための就業規則 規程例集*¹」が出されており、休暇制度(失効年次有給休暇付与制度など)や勤務制度(短時間勤務制度など)の規程例が掲載されています。

【注釈】

*¹ 神奈川産業保健総合支援センター「治療と仕事の両立のための就業規則 規程例集」

https://www.kanagawas.johas.go.jp/files/libs/1407/201909021616417222.pdf