健康情報"ほっと一息"

治療が必要になったときに知りたい情報 ⑱傷病手当金制度が改正されました

  • 今月は、病気やケガで会社を休んだ時(無給の時)に、健康保険に加入している会社員本人が貰える「傷病手当金」についてのお話です。

  • 治療と仕事の観点から、より柔軟な所得保障ができるよう、「全世代対応型の社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律(令和3年法律第66号)」により健康保険法等が改正されました。

  • 今回の法改正によって、傷病手当金の支給期間の考え方が大きく変わるんですね。
    これまでの傷病手当金制度では、「支給開始日から起算して1年6か月経過後は不支給」でした。

  • 例えば、がんの手術などのために1か月だけ休んで復職した場合、傷病手当金が貰える期間は「初めて傷病手当金を貰った日(支給開始日)から『復職して働いている日も含めて』1年6か月まで」でした。

  • でも主な治療が入院から外来通院へ変わってきている現在の医療や、それに伴って治療と仕事の両立ができる今の時代には、「使いづらい」という声がありました。

  • そうなんです。これまでの制度では、「一度傷病手当金を貰い始めたら、1年6か月間休んだ方がいい?」と考える人や「1年6か月経ったら終わってしまうので、なるべく支給開始日を後にした方がいいのでは?」と悩む人がいました。

  • 今年の1月1日からはどう変わったのでしょう?

  • 傷病手当金が支給される期間は「支給開始日から『不支給期間を除き通算して』1年6か月まで」となりました。

  • つまり支給期間は、休んだ日(傷病手当金を請求した日)だけを足し算して1年6か月に変わるのですね。
    そうなると、「1年6か月間ずっと休むよりは、働いた方がいい」という考え方もできるし、支給開始日について悩む人も少なくなりそうですね。

  • 法改正の対象となる人について整理しましょう。

  • すでに傷病手当金を受給している人はどうなるのでしょう?
    支給開始日が施行日の1年6か月前である令和2年7月1日の人は?

  • 支給開始日が令和2年7月1日以前の方は、例えば30日分しか貰っていなかったとしても、1年6か月の支給期間が満了しているので貰えません。

  • 支給開始日が令和2年7月2日以降の人は?

  • 例えば、支給開始日が令和2年7月2日の人で、これまでに30日分しか貰っていなかった人は、令和4年1月1日時点の残りの支給日数は519日となります。

  • 詳しくは、加入している医療保険者(協会けんぽや健康保険組合)に確認することをお勧めします。

【リーフレット】
『令和4年1月1日から健康保険の傷病手当金の支給期間が通算化されます』
https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/000857062.pdf