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京都産業保健総合支援センター メールマガジン 11月(207)号 2018/11/1

        発行:京都産業保健総合支援センター 所長 松井 道宣
        ホームページ:https://www.kyotos.johas.go.jp

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◇京都産業保健総合支援センター ホームページ情報◇

1)厚生労働省 過労死等防止対策推進シンポジウムのご案内<2018.10.4>
2)厚生労働省 過重労働解消キャンペーンの実施について <2018.10.4>
3)厚生労働省 職域における風しん対策について     <2018.10.9>
4)厚生労働省 治療と仕事の両立支援シンポジウムについて(東京・大阪会場
 日程決定)                     <2018.10.19>

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◇ 雑感 ◇
    産業保健(メンタルヘルス)相談員   南部 知幸

 精神科診療に携わって40年余りになる。10年くらいたてば何とかそれ
なりの力量が身につくのではとの甘い思いもあったが、そう言った事は夢
のまた夢。年を経るほどに解らなくなる。真摯に学ぶ姿勢に欠けたが故に
との指摘は甘受するにしても、診断しかり、ましてや治療と言う事になる
と頭が痛くなってくる。

 尊敬する故名誉院長は「患者さんの話を聞いてるだけ、何もしてませ
ん。」と言われていたが、そういった悟りの境地からも程遠く、聞く事も
ままならない。なら診療に携わるべからずとの声が聞こえてくるが業と
言うべきか。そう迷惑にならないよう、自己治癒力を阻害しないように
との思いを持ちながら、日々、拙い診療を続けている。

 また大先輩の故名誉教授は、統合失調症という事態は、身体‐心理‐
社会‐文化、それら全体を条件として成立すると述べられたが、心の病を
診るとき、曖昧との癖を指摘されようとも、「人というものに随伴する
わからなさ」を付け加えねばならないと思う。しかし、これら五条件の
もとに心の病をみていくことは、生易しい事ではない。

 科学の進展はすさまじく、心の病も脳に還元可能とする意見が優位を
占める。人を機械とみなすこの道筋は、究極的にはAIと人との戦いと
なり、悪夢のシュミレーションへと誘う。ごく平凡な人のささいな感じ、
思い、心を素朴に大切にすることの重要さに思いを馳せる。

 閑話休題。昨年度の精神障害での労災認定の請求件数は1732で、決定
件数が1545認定件数506そのうち自殺自殺未遂件数は98件でいず
れも過去最高との事である。疲弊した人の姿が浮かぶ。それでも職場の
精神保健対策は確実に進展している。
 今年度、厚労省でパワハラ防止の法整備が始まり、中、地方企業も働き
やすい職場づくりに動きだしたと言う。さまざまな事があり、さまざまな
事を想う。その中で精神科臨床の持つ意味を問うていかねばならないと
思う。

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◇ 認知症の始まりって? ◇
    メンタルヘルス対策促進員  宮本 理惠子

 皆様は、認知症の不安がありますでしょうか。
 私は、元々よく忘れるタイプだったのですが、階段を一段ずつ上るよう
に、物忘れも10階建ての8階くらいに到達したと思われる「えー!」と思う
事がおこり、「これは認知症の始まりを危惧しなさい」との神のお告げ
かもしれない。と不安を隠せない私がいます。

「えー!と思う事・認知症の始まり?」
その1:預金通帳から引き出ししたお金が何のために引き出したか
    わからない(度々)
その2:リーンリーン「宮本様でしょうか。○○銀行です。ATMに
   キャッシュカードをお忘れになっています。」(その回数が5回)
その3:ない!職場においてあった自転車がない!盗られた! 防犯カメ

   ラのチェック依頼、新しい自転車の購入依頼等々を終え、警察に

   届出・・・「あっ、大丸の駐輪場に預けていたのを忘れてた」
その4:右太もも内側に長さ19cm幅5cmの内出血が発覚病気いや痛い
   でも打った記憶ない。右ふくらはぎに直系5cmの内出血、これも
   記憶ない。
これは、まずいと認知症を調べてみました。

◆アルツハイマー型
脳内にたまった異常なたんぱく質により神経細胞が破壊され、脳に萎縮が
おこる。
【症状】昔のことはよく覚えているが、最近のことは忘れる。軽度の
 物忘れから徐々に進行し、やがて時間や場所の感覚がなくなっていく。

◆脳血管性認知症
脳梗塞や脳出血によって脳細胞に十分な血液が送られずに、脳細胞が
死んでしまう病気。高血圧や糖尿病などの生活習慣病が主な原因。
【症状】脳血管障害が起こるたびに段階的に進行する。また障害を受けた
 部位によって症状が異なる。

◆前頭側頭葉型認知症
脳の前頭葉や側頭葉で、神経細胞が減少して脳が萎縮する病気。
【症状】感情の抑制がきかなくなる。社会のルールを守れなくなるなど。

◆レビ-小体型認知症
脳内にたまったレビ-小体という特殊なたんぱく質により脳の神経細胞が
破壊されおこる病気。
【症状】現実にはないものが見える幻視、手足が震えたり筋肉が固くなる
 症状が現れる。歩幅が小刻みになり転びやすくなる。

チェック項目を実施しました!!
アルツハイマー型認知症の代表的な症状を確認 

① 記憶障害(同じことを何回も言う・聞く・忘れた自覚ない)→〇かも
② 見当識障害(今日が何月何日か、居場所がかわらない)  →×セーフ
③ 判断能力の低下(料理の手順がわからなくなる)     →×セーフ
④ 自発性や意欲の低下(趣味に関心がなくなる)      →×セーフ
⑤ 怒りっぽくなる(落ち着きがなくなり些細な事で怒る)  →△かも
  (大事なものを盗まれたと主張する)      →〇まさにこれかも
結構不安もありますが、現時点ではセーフが優勢なので、「よし!」と
します。

認知症の人は2025年には約700万人に!!

厚生労働省が総合的に推進している施策・認知症施策推進総合戦略
新オレンジプラン(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000064084.html)

目的:認知症の人の意思が尊重され、出来る限り住み慣れた地域の良い環
   境で自分らしく暮らしを続けることが出来る社会を実現する」

戦略:「認知症高齢者にやさしい地域づくりに向けて、認知症という病気
   に対する啓蒙も含め、医療・介護・介護予防・住まい・生活支援を
   包括的にケアするため」

 肉体的に精神的にも負担が大きい、認知症=介護の問題を少しでも軽減
できるようになることを期待します。

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◇ 着任のご挨拶 ◇
    産業保健専門職(保健師) 松田 雅子

 10月1日より産業保健専門職として着任しました松田雅子と申します。
これまでも、事業所を訪問しての健康相談、特定保健指導(メタボ指導)、
安全衛生委員会への参加、産業医に同行しての職場巡視など、産業保健活
動に従事しておりました。

今後は当センターで下記の業務を行ってまいります。
 ・健康診断実施後の措置
 ・産業保健指導
 ・治療と仕事の両立支援体制の整備、啓発教育等
 ・治療と仕事の両立支援の患者(労働者)との個別調整支援
 ・労働衛生管理体制樹立のための支援 等

 と、ちょっと硬いご紹介になってしまいましたが、容姿は昔のテレビ
アニメ「ポパイ」に登場していたオリーブ似(高校時代のあだ名が
オリーブでした)。好きなことはピアノを弾くこと、能楽・オーケストラ
鑑賞、読書。好きなテレビ番組は日曜朝の「がっちりマンデー」と
大河ドラマ(今は「西郷どん」)です。日本の産業や歴史を気軽に知ること
ができる、という意味で、この2つの番組は毎回欠かさず見ております。

 ところで、私の学生時代には「ポケベル」が登場しました。それから
20年余り、今は「スマホ」で瞬時に音楽や動画までやりとりできる時代。
日本だけでなく世界中が物凄いスピードで変わっていきますそんな中で
産業保健専門職も変化を捉えて柔軟に動くことが求められると考えており
ます。
「鳥の目、虫の目、魚の目」という言葉がありますが、私もこの言葉を念
頭に置き、物事を鳥の目のように俯瞰的に、虫の目のように細部まで複眼
的に、そして、魚の目のように流れを読む目を持つ専門職を目指し、日々
精進してまいりたいと思います。
 まずはいろんな方にお会いしてお近づきになれればと思っております
どうぞよろしくお願いいたします。

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◇メンタルヘルス対策支援サービスについて(無料)◇

  メンタルヘルス対策促進員が事業場に赴き、お手伝いいたします。

   ・管理監督者教育への講師派遣
   ・若年労働者教育への講師派遣
   ・「こころの健康づくり計画」策定に関する支援
   ・「職場復帰支援プログラム」作成に関する支援
   ・ストレスチェック制度の導入や実施後の職場環境改善等に
    関する支援

 詳 細→ https://www.kyotos.johas.go.jp/mental
 お申込→ https://www.kyotos.johas.go.jp/wp/wp-content/uploads/
      2016/03/3271581a77fe65143bb9a7881fcebb8b.pdf

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◇ストレスチェック制度について◇
 *「こころの耳」に「ストレスチェック制度」についてまとめられて
   います。
  → http://kokoro.mhlw.go.jp/etc/kaiseianeihou.html

 *ストレスチェック制度サポートダイヤル
    電話番号  全国統一ナビダイヤル 0570‐031050
    開設時間  平日 10時~17時(※祝日、年末年始を除く)

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◇治療と職業生活の両立支援サービスについて(無料)◇
  当センターでは、治療を受けながら仕事を続けたい方、両立支援に
  取り組む事業場の方からの相談に応じています。

  →https://www.kyotos.johas.go.jp/ryoritsu

  *出張相談窓口を開設しました【要予約】

   ・京都大学医学部附属病院  毎月第3水曜日( 9:30~12:30)

   ・京都府立医科大学附属病院 毎月第2木曜日(10:00~12:00)                        

  *両立支援相談員センター窓口日時 11/2(金)【14:00~要予約】

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◆産業保健に関する各種研修会のお知らせ◆
    https://www.kyotos.johas.go.jp/training

 ※H30.11~H30.12研修会を掲載しております。奮ってご参加下さい。
 ※当センターが実施する「産業医研修会」について、付与できる単位は
  「生涯研修」のみとなります。
  「基礎研修」を受講される方は、京都府医師会主催の研修会をご覧
  ください。
    http://www.kyoto.med.or.jp/member/sports/index.html
◆京都産業保健総合支援センターホームページ◆
    https://www.kyotos.johas.go.jp
◆京都産業保健総合支援センターご利用案内◆
◆図書・教材のご案内◆
    https://www.kyotos.johas.go.jp/material
◆産業保健新着情報◆
    https://www.kyotos.johas.go.jp/archives/news
◆メンタルヘルス対策支援サービスのご案内◆
    https://www.kyotos.johas.go.jp/mental
◆メールマガジン(バックナンバー)◆
    https://www.kyotos.johas.go.jp/mailmagazine/back-number
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メールマガジン配信のお申込み、お断り、お問い合せ、ご質問等は
京都産業保健総合支援センターまで
  ○MAIL:info@kyotos.johas.go.jp 
  ○TEL:075-212-2600 FAX : 075-212-2700
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発 行 人 : 松井 道宣
編 集 人 : 為井 克昌 
編集協力 :京都産業保健総合支援センター 産業保健相談員
発行/配信:京都産業保健総合支援センター https://www.kyotos.johas.go.jp