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京都産業保健総合支援センター メールマガジン 3月(199)号 2018/3/1

        発行:京都産業保健総合支援センター 所長 松井 道宣
        ホームページ:https://www.kyotos.johas.go.jp

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京都産業保健総合支援センター ホームページ情報
1)「小規模事業場 産業医活動助成金」のご案内     〈2018.2.7〉
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◇ 労働安全衛生法を活かすために ◇
      労働衛生関係法令相談員  篠原 耕一

  「篠原君労働安全衛生法は働く多くの人達の犠牲すなわち『血』で
書かれたルールなんやで。」労働基準監督官として最初に赴任した監督署
において、先輩のT監督官から教わったこの言葉は、私の脳裏と心に今も
深く刻まれている。

 死亡災害や重篤な災害には、直接的には安全装置等の不備、間接的には
安全衛生管理体制不備や安全衛生委員会の審議不良等、何らかの法違反が
見受けられる。
多くの人が挟まれたからカバーを、多くの人が墜落したから手すりを、二
度と悲しみを繰り返さないための再発防止のルール、それが労働安全衛生
法である。
数年前、社会問題となった化学物質にしても、確かにその物質そのものは
特別則の規制対象外ではあったが、衛生委員会で正しく審議され、類似の
化学物質に適用される既存の『血』で書かれた法規により管理を行ってい
たなら、あれ程の大惨事にはならなかったであろう。

 先月、友達の三柴丈典先生(三柴先生が私のことを友達と思っているか
どうかは知らない)が講演の中で、
「膨大な数の労働安全衛生法令の全ては守れないなら100ある違反を50
に減らすアセスメントを実施し、会社にとって遵守すべき50の優先課題
は何なのか?優先すべき50を決め遵守する」
という趣旨のお話を伝聞としてされていたが、実に良い話であると感じ入
った。講演後、三柴先生に早速この話をしたところ、「それは篠原先生
(三柴先生は全ての人に「先生」という敬称をつけて下さる)から聞いた
話ですよ」と返され、確かにどこかで聞いたことがある話ではあると思っ
たが、我ながら頼りない限りであった。

 話は変わるが、昨春50歳になり、そして昨秋に実父が亡くなった。
自分はいつまでも若いままで50歳にはならないそして自分の両親はいつ
までも健康で元気でいてくれるという2つの「思い込み」が崩れ去った。
大学生の時、一番の親友を喪った。学生時代の親友は、何よりも誰よりも
大切な存在である。何年も悲しみに暮れ、今も悲しみが癒えず、思い出す
たび悲しみの涙が流れる。
しかし、父を喪った時の涙は、悲しみの涙ではなく、むしろ感動と感謝の
涙であった。
屋外建設労働者として年300日以上現場で働き続けた父、質素な身なりを
続けながら時計だけはSEIKOの腕時計にこだわり時間に厳しかった父、
困っている親類に多額の援助をしていた父、亡くなった後知ることもあっ
たが父は人生を全うし思い出話に多くの笑顔さえあったお別れだった。

 ところが、労働災害や過労死・過労自殺で亡くなった人達の周囲はどう
だろうか。
人生を全うできず、無念の死を遂げてしまった、そんな最愛の家族や友を
喪った人達はいつまでも悲しみの涙悲憤の涙を流し続けることになる。

 労働安全衛生法は『血』で書かれた大変有効なルールである。
時代時代を写しながら多くの改正や追加が行われ数多くの規定が存在
する。
その多くの中で、悲しみの涙を流させないための、我が社が優先すべき
ルールは何か?
有効なルールである労働安全衛生法を活かすために、正しく見極めていく
ことが大切である。

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◇ 職場環境改善計画に奮闘する担当者の例と
         「うつ」を誘発するパワハラ ◇
          メンタルヘルス対策促進員  武田 理栄子

 私は、京都の北部地域を中心に活動しています。
 製造業界は業績がアップして、労働時間が増えています
2年ほど前から「求人を出しても集まらない」という採用担当者の声が聞
こえていました。1年前には某企業で、製造部門の要の人がヘッドハンテ
ィングされ、続いてその部門の数人が引き抜かれ、「現場が回らない」事
態が生じたことがあります。

 ある会社の人事担当者は「頑張る人が評価され、ボトムアップの社風を
作り、働き甲斐のある職場づくり」をしないと人材確保ができなくなると
危機感を持ち、ストレスチェック後の集団分析をもとに職場改善に奮闘さ
れています。取組み当初は管理職の認識は「総務の仕事」と人まかせの状
態でしたが、「職場環境改善計画助成金」を活用し、メンタルヘルス促進
員による管理職への「職場の現状の聞き取り」を行う中で、管理職自らが
「職場の課題発見」ができ、「改善計画作成」へと現在進行中です。

 「社員のうつ」の相談が増えています。
メンタル不調者がでると、周囲の人は何かしらの影響を受けます。
ある会社からの相談で「以前から不調だった人が、忙しさが増す中でとう
とう休んでしまった」という内容でしたが、当人に会ってみると、言いに
くそうにしながら「上司が・・・罵倒する・・・」と力のない声で不調の
きっかけを話してくれました。

 「うつ」は陰にパワハラが潜んでいることが多いのです。職場に援助的
な風土がなければ「いじめや悪口」が起こり、人を弧立させ、不要な緊張
を生んでしまいます。あなたの職場にパワハラ発言をする上司はいません
か。求人を出せばすぐに充足した時代は過去のことです。企業がこの先、
発展するかどうかは職場環境が要になる時代が来ています。

※産業保健関係助成金のご案内
  →https://www.johas.go.jp/sangyouhoken/tabid/1151/Default.aspx

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◇メンタルヘルス対策支援サービスについて(無料)◇

  メンタルヘルス対策促進員が事業場に赴き、お手伝いいたします。

   ・管理監督者教育への講師派遣
   ・若年労働者教育への講師派遣
   ・「こころの健康づくり計画」策定に関する支援
   ・「職場復帰支援プログラム」作成に関する支援
   ・ストレスチェック制度の導入や実施後の職場環境改善等に
    関する支援

 詳 細→ https://www.kyotos.johas.go.jp/mental
 お申込→ https://www.kyotos.johas.go.jp/wp/wp-content/uploads/
      2016/03/3271581a77fe65143bb9a7881fcebb8b.pdf

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◇ストレスチェック制度について◇
 *「こころの耳」に「ストレスチェック制度」についてまとめられて
   います。
  → http://kokoro.mhlw.go.jp/etc/kaiseianeihou.html

 *ストレスチェック制度サポートダイヤル
    電話番号  全国統一ナビダイヤル 0570‐031050
    開設時間  平日 10時~17時(※祝日、年末年始を除く)

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◇治療と職業生活の両立支援サービスについて(無料)◇
  当センターでは、治療を受けながら仕事を続けたい方、両立支援に
  取り組む事業場の方からの相談に応じています。

  →https://www.kyotos.johas.go.jp/ryoritsu

  *出張相談窓口を開設しました【要予約】

   ・京都大学医学部附属病院  毎月第3水曜日( 9:30~12:30)

   ・京都府立医科大学附属病院 毎月第2木曜日(10:00~12:00)

                 ※3月祝日の為、なし                         

  *センター相談窓口 3月8日(月)【14:00~・要予約】

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◆産業保健に関する各種研修会のお知らせ◆
    https://www.kyotos.johas.go.jp/training

 ※H30.3~H30.6研修会を掲載しております。奮ってご参加下さい。
 ※当センターが実施する「産業医研修会」について、付与できる単位は
  「生涯研修」のみとなります。
  「基礎研修」を受講される方は、京都府医師会主催の研修会をご覧
  ください。
    http://www.kyoto.med.or.jp/member/sports/index.html
◆京都産業保健総合支援センターホームページ◆
    https://www.kyotos.johas.go.jp
◆京都産業保健総合支援センターご利用案内◆
◆図書・教材のご案内◆
    https://www.kyotos.johas.go.jp/material
◆産業保健新着情報◆
    https://www.kyotos.johas.go.jp/archives/news
◆メンタルヘルス対策支援サービスのご案内◆
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    https://www.kyotos.johas.go.jp/mailmagazine/back-number
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メールマガジン配信のお申込み、お断り、お問い合せ、ご質問等は
京都産業保健総合支援センターまで
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発 行 人 : 松井 道宣
編 集 人 : 為井 克昌 
編集協力 :京都産業保健総合支援センター 産業保健相談員
発行/配信:京都産業保健総合支援センター https://www.kyotos.johas.go.jp