バックナンバー

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京都産業保健総合支援センター メールマガジン 256号 2022/11/1

        発行:京都産業保健総合支援センター 所長 松井 道宣
        ホームページ:https://www.kyotos.johas.go.jp
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       当センター主催 産業医研修会ついて

   11月研修会   キャンセル待ち受付中

   12・1月研修会 11月7日(月)午前 受付開始予定

  *セミナー・研修のご案内
   → https://www.kyotos.johas.go.jp/training    
  *日本医師会の産業医情報(資格更新の特例措置、研修会等)
   → https://www.sangyo-doctors.gr.jp/

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   ◇ 京都産業保健総合支援センター ホームページ情報 ◇

1)[衛生管理者対象]令和4年度かかりつけ医・産業医等うつ病対応力向上
  研修会のご案内

2)京都労働局 歯科健診の結果報告がすべての事業者に義務化されます

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◇ ミレニアム世代に見られるメンタル不調 ◇
    産業保健相談員(メンタルヘルス・医学)  須賀 英道

 最近の若手はミレニアム世代と呼ばれる。幼少期からスマホが手元にあり、あらゆる情報がスマホから即時に得られる。例えば、算数問題にスマホをかざすと回答が出るのである。このことは身の回りに殆どの情報が揃っていることであり、生活の必要に関わらずアトランダムにある。半世紀までには暗黙の了解としてあった情報の優位性(絶対的価値観)がなくなり、その場での必要性(コンビニ感覚)が求められる。更に情報の真偽はかつてのように重視されず、今の自分に役に立つことが最優先となっている。こうした情報過多の環境では、多様性の評価が必然として生じ、マイノリティに対する評価もかつてのように排他的なものでなくなり、むしろ受容性が高められている。例えば、 性同一性障害もLGBTを経て今ではSOGI(Sexual Orientation and Gender Identity)としてその立場が評価されている。このことは障害者に対しても福祉視点から拡大し、発達障害に対する評価も疾患(disorder)から障害(disability)に移行し、今後の治療対象となるのは疾患ではなく症状となっていくことが予想される。

 こうした兆しを示す状況として、ミレニアム世代の精神科の外来受診の状況に垣間見うる。精神科の受診はかつてのスティグマが払拭されコンビニ感覚である。不眠や不安、やる気なさなどの相談で気軽に訪れる。今春に特に多かったのが、大学新卒の就職者が職場にうまく適応できず、不安やうつ状態となっている。そこには薬物療法や認知行動療法といった従来の精神科治療よりも、自宅安静療養によって改善している。すなわち環境変化であり、転職へのアシストが求められる。また、うつ状態で授業に出られないといって受診する大学生も大半はバイトができている。このことも環境適応性を示している。

 最近のメンタル不調も多くが軽症化し、個人の疾患治療よりむしろ、コンビニ的症状軽減や環境調整が求められる時代へと変わりつつあるのである。

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◇ 英国メリデン版訪問家族支援について ◇
    メンタルヘルス対策促進員  武田 理栄子

最近、保健所の精神保健福祉士の方と情報交換をする機会がありました。

精神障害者をサポートするプログラムのひとつに「英国メリデン版訪問家族支援」という耳慣れない内容のものでした。この支援は認知療法的家族療法が原型です。精神保健福祉士が、家庭を訪問し本人とその家族全体を支援するというシステムです。訪問支援のプログラムは次のような内容です。

①同居家族を個々に面談し、家族が困っていることや病気に関する理解を聞き取る。

②本人の現在の状態や再発時のサインの情報を共有する。

③コミュニケーションスキルトレーニングで喧嘩にならないための方法を学ぶ。

④問題解決への手順や方法を学び、家族内で起こる問題に取り組めるようにする。

上記のようなサポートを通じて、本人と家族が自分たちの力で困難を乗り越えて問題解決ができるようになり、精神障害の本人とその家族がそれぞれの生活を自分らしく生きることができるようになることが支援の目標です。

家族に病人がいると気がかりなことが常に起こります。また、当事者の本人は依存的になったり、逆に家族と疎遠になったり、家族が無関心であったりと家族間は様々です。ほどよい距離感と支えあいができるようになるには第三者の支援が有効です。

「英国メリデン版訪問家族支援」は日本では2015年に始まり、日本での歴史はまだ浅く、京都府のすべての保健所にトレーナーがいるわけではないようですが、私が知り合った若いトレーナーさんはたいへん意欲的でした。これからの実践と研究が期待されます。

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       産業保健スタッフ研修会のご案内

『就労と糖尿病治療 両立支援』
  日時:令和4年11月10日(木)14:00~16:00
  会場:アーバネックス御池ビル東館 2階会議室
  講師:なかじまちあき内科クリニック 院長 中嶋 千晶 氏

『発達障害者の理解と職場での対応』
  日時:令和4年11月18日(金)14:00~16:00
  会場:アーバネックス御池ビル東館 2階会議室
  講師:京都産業保健総合支援センター 相談員 山下 恵子

『産業保健スタッフに必要ながん検診の基礎知識』
  日時:令和4年12月6日(火)14:00~16:00
  会場:京都府医師会館 3階会議室
  講師:大阪大学大学院 医学系研究科 環境医学 教授 祖父江 友孝 氏

詳細・お申込: https://www.kyotos.johas.go.jp/training#training02
   ※日医認定産業医の単位は付与されません。

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    令和4年度 保健師・看護師学習交流会のご案内

滋賀・京都・奈良・和歌山を結んで!
滋賀産保から3産保センターへ講義を配信し、交流会を行います。

12月9日(金)14:00~16:00
京都会場:アーバネックス御池ビル東館2階会議室

第一部 学習会 
  講師:北田 千晶先生
    カゴメ(株)健康事業部 管理栄養士・健康経営アドバイザー
 ①講義(60分)
  講師ご自身の健康経営(c)に関する調査研究・データ解析の結果から、
  野菜摂取量と労働生産性の関係について解説する。
 ②質疑応答・実習(20分程度)
  べジチェックによる推定野菜摂取量測定を実際に体験する。

第二部 交流会(15:30-16:00)
 講義内容や健康経営、産業保健活動に関する話し合いの時間とする。

参加申し込みはこちら ↓↓

https://www.kyotos.johas.go.jp/archives/training_list/training_list-24706

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   ◇ メンタルヘルス対策支援サービスについて(無料)◇

 メンタルヘルス対策促進員が事業場に赴き、お手伝いいたします。

 ・管理監督者教育への講師派遣
 ・若年労働者教育への講師派遣
 ・「こころの健康づくり計画」策定に関する支援
 ・「職場復帰支援プログラム」作成に関する支援
 ・ストレスチェック制度の導入や実施後の職場環境改善等に関する支援

  詳 細→ https://www.kyotos.johas.go.jp/mental

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   ◇ 治療と仕事の両立支援サービスについて(無料)◇

当センターでは、治療を受けながら仕事を続けたい方、両立支援に
取り組む事業場の方からの相談に応じています。
https://www.kyotos.johas.go.jp/ryoritsu

*出張相談窓口を開設しております。【要予約】
 ・京都大学医学部附属病院  毎月第3水曜日( 9:30~12:30)
 ・京都府立医科大学附属病院 毎月第2木曜日(10:00~12:00)
 ・京都市立病院       毎月第1金曜日(11:00~12:00)
 ・京都第二赤十字病院    随時
 ・京都第一赤十字病院    随時
 ・京都桂病院        随時
 ・京都医療センター     随時
 ・洛和会音羽病院      随時
 ・宇治徳洲会病院      随時
 ・京都山城総合医療センター 随時
 ・京都岡本記念病院     随時
 ・市立福知山市民病院    随時
 ・京都府立医科大学附属病院 北部医療センター  随時

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◆京都産業保健総合支援センターご利用案内◆
 https://www.kyotos.johas.go.jp/about
◆相談のご案内◆
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◆研修・セミナーのご案内◆
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◆図書・教材のご案内◆
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◆産業保健新着情報◆
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◆メールマガジン(バックナンバー)◆
 https://www.kyotos.johas.go.jp/mailmagazine/back-number
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発 行 人 :松井 道宣   編 集 人 :清水 和義
編集協力:産業保健相談員・メンタルヘルス対策促進員・両立支援促進員
発行/配信:京都産業保健総合支援センター https://www.kyotos.johas.go.jp