バックナンバー

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京都産業保健総合支援センター メールマガジン 249号 2022/4/1

        発行:京都産業保健総合支援センター 所長 松井 道宣
        ホームページ:https://www.kyotos.johas.go.jp
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       当センター主催 産業医研修会ついて

      4月研修会 申込受付中(キャンセル待ち)
      5月研修会    未定

*セミナー・研修のご案内
 → https://www.kyotos.johas.go.jp/training    
*日本医師会の産業医情報(資格更新の特例措置、研修会等)
 → https://www.sangyo-doctors.gr.jp/

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     産業保健スタッフ Web(Zoom)研修会のご案内

『安全衛生委員会の運営と安全衛生計画の策定について』
  日時:令和4年4月20日(水) 14:00~15:30
  講師:京都産業保健総合支援センター 相談員 桑村 明男

『金属アーク溶接等作業の法規制で必要とされる措置等について』
  日時:令和4年5月31日(火) 14:00~15:30
  講師:京都産業保健総合支援センター 相談員 岡本 浩

『ストレスチェック実施後の職場環境改善の実施方法』
  日時:令和4年6月21日(火) 14:00~15:30
  講師:京都産業保健総合支援センター 相談員 花谷 和雄

『パワーハラスメントを心理学的に考える 全3回シリーズ』
  *既に定員に達しました
  1回目:被害者の立場   令和4年4月12日(火)14:00~16:00
  2回目:行為者の立場   令和4年5月10日(火)14:00~16:00
  3回目:相談対応者の立場 令和4年6月14日(火)14:00~16:00
  講師:(株)ホリスティックコミュニケーション 
               代表取締役社長 豊田 直子 氏

詳細・お申込: https://www.kyotos.johas.go.jp/training#training02
       ※日医認定産業医の単位は付与されません。

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   ◇ 京都産業保健総合支援センター ホームページ情報 ◇

1)令和4年度「STOP!熱中症クールワークキャンペーン」について
2)厚生労働省職場における労働衛生基準が変わりました
3)「令和4年福島県沖を震源とする地震の被災者のための心と健康の
  相談ダイヤル」設置のご案内

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◇ ごあいさつ ◇
     産業保健相談員(カウンセリング) 山下 恵子

はじめまして。4月から相談員に就任いたしました、山下恵子と申します。
私は、昨年の3月末まで、金融機関の看護職として35年間勤務してきました。 入社は1986年です。前職が手術室の看護師でしたので、産業看護職の業務は一からで、実際何をしたら良いのかわからない中で手探りでの状況でした。
 当時のことを思いだしちょうどこの原稿を書きだしたときに「産業精神保健学会」から学会誌が届きました。その中に 廣 尚典先生の「産業精神保健の礎を築いた人々」という記事が出ていました。第5回目でちょうど私が産業看護職として前職についたころからのお話です。THPに始まり、行政からの指針として「職場における労働者のこころの健康づくりのための指針」・「労働者のこころの保持増進のための指針」そして、最近では2015年に制度化されたストレスチェックなどのことが書かれていました。
 私自身が社員のメンタルヘルスに関わることになり、行政から出される指針をもとに、現場でどのように運用していくのかを、人事部の方や産業医と協議しながら進めていったことを思い出しながら読ませていただきました。そして産業精神保健に関して色々な先生方の大変なご尽力があったことも改めて認識致しました。

 産業現場で起こる様々な問題は現在の京都産業保健総合支援センターの相談員の先生方に相談しながらなんとか乗り越えてきました。
 特にメンタルヘルスに関しては、勤務していた35年の間に大変大きな変化を感じながら仕事をしていました。必要に迫られカウンセリングの勉強を始め、シニア産業カウンセラー・公認心理師の資格を取得しました。そして実際に社員のカウンセリングを実施し、休職中の社員の支援や復職支援などを主な仕事として担当していました。その中で起こった様々な問題を相談員の精神科の先生や臨床心理士の先生に伺いながら、解決に向けていった事例を多数経験しました。最近は会社の中で「発達障害」に関する問題が出てきて、そういった事例も経験しました。
 今回、相談員に就任させていただいたわけですが、長い産業現場の経験を踏まえたお答えが出来るということだけが一番の自分の強みではないかと思っています。
 現在はカウンセリングルームにて個人カウンセリングを実施しています。また心理療法のひとつである「森田療法」の電話相談員として活動しています。そして、就労移行支援事業所で精神障害を持った方の医療連携の面談等も実施しています。
 今までの経験を活かし、今後も自己研鑽を続け、少しでも皆様のお役に立てるよう努力していく所存です。どうぞよろしくお願い致します。

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◇ コロナとの日々に ◇
     産業保健相談員(産業医学)  長井 苑子

 新型コロナウイルスが武漢であらわれてからもう2年が過ぎました。
正体がわからないうちは、不安がどんどん増大して、今から思えば、感染者数も死亡者数も日本は少ない状況でしたが、経済が疲弊するほどの自粛の日々が継続されました。振り返りますと、デルタ変異株による第5波では、オリンピックの時期とも重なり感染者数はそれまでの数をはるかに超えていましたが死亡者数は低くなっていました。秋には、ワクチン効果もあるのか収束して、秋晴れの京都には観光客が少しはもどってきました。

 しかし、南アフリカで発見されたというオミクロン変異株が、今年の1月からあっという間に感染拡大して欧米の感染者数に近づきそうな勢いで増加してきています。京都の増加も過去最高といわれるようになりました。

 オミクロン変異株は若い世代に感染者数が多く軽症がほとんどです。しかし、最近になって、高齢者への感染と一部の重症化がみられるようになっています。さらには、オミクロンの亜株が見つかっており、本当に、今年中に収束するかどうかは、誰もわからないのが真相でしょう。

 すでに接種されたワクチン2回の効果も薄れる時期であろうということで、第3回目の接種が行われだしています。どこまで効果を示すのかは、これも未知の部分が大きいようです。

 治療薬も市場にようやく出されようとしていますが規制の中での使用です。副作用などもわからないままにどのように投与すべきかは残された課題です。

 現実的には、風邪症状で熱がでても受診せずに、家で寝て回復している人、うっかり保健所の指導をうけると隔離を要請されるので、自営や仕事をやめると生計が苦しいという状況ではコロナ感染の刻印をおされたくないという人々もいる可能性もあります。すなわち感染者数はもっと多いかなと思われます。濃厚接触者の隔離期間の短縮、疑似症がスタッフの中にでているのも現実です。就労の問題と合わせての妥当な判定を個別にやりながら、局所的な医療疲弊はどこの診療所でも起こりうると実感しています。

 今のオミクロン株では、感染症2類でなく、インフルエンザや普通の風邪対応でいいのかもしれません。第6波の感染拡大が極まって集団免疫が効果を表して終息へむかうことを強く期待しています。

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◇ メンタルヘルスのアラカルト ◇
     メンタルヘルス対策促進員  岩澤 正明

サクラの季節
新年度4月に入りました。世界で不安な社会情勢の話題が続きますが、身近なことに目を向ければ、何と言っても桜の開花です。今年のお花見はどうでしょうか、昨年は早咲きでしたが、今年は平年並みという報道もされています。新型コロナウイルス感染の状況が好転して、楽しめる状況になっているでしょうか。満開の桜は、静かに見ているだけでも、人々の心を豊かにしてくれるサクラパワーがあります。花や樹木には、身体に良い効果があると云われていますので、短い期間になりますが桜を楽しみましょう。 ほんの少しの間でも、リフレッシュする時間を持つことが、メンタル面でも効果がありそうです。
新年度のスタートでもあります。社会人や学生生活での新しいスタートになる方も多いと思います。新人には色々な面で「学び」の期間であり、新人へのメンタルヘルス対応は、サポート体制が重要なことは言うまでもありません。

リモートワークやオンライン研修など
コロナ感染拡大防止の観点から、急遽リモートワークが始まったところも多いと思います。試行錯誤しながらの仕事でマネジメントをどうしたら良いか苦慮し、部下も孤立感や仕事の報告の仕方、上司や同僚との相談の仕方などに悩んだという声が聞かれます。対策として「Webコミュニケーション研修会」を開催したというような事例も紹介され、色々工夫し新しい試みが進んでいます。こうして研修会もオンラインで開催される機会も増えています。メリットとして参会者が対面型より多かったという結果も上げられています。表情や反応が分かりにくいので、やり方に工夫が必要ですが、新しい手法として、メリットを活かして効率化に活用したいものです。
先日、オンラインを活用した面談を初めて経験しました。区切りを入れて相手に受け答えの内容が正確に伝わったかどうかを確認しながら進めましたが、少々疲労感が残りました。こうした手法にも慣れていくことが要求される今日この頃なのです。

健康に関する統計の話題
正月には「この1年も健康で過ごせますように」とお祈りした人も多いでしょう。 厚生労働省『令和2年簡易生命表』によると、日本人の平均寿命は男性81.64歳と前年から0.23歳増、女性は87.74歳と前年から0.29歳増と、過去最高を更新しました。長寿国の名声は不変ですが、自立生活が可能な健康寿命を延ばす心身両面のアプローチが益々重要になっていると言えます。一方、厚生労働省発表の令和3年の自殺者数の確定値では21,007人となり、2年ぶりに減少しました。 男女別にみると、男性は12年連続の減少、一方女性は2年連続の増加となっています。また、男性の自殺者数は、女性の約2.0倍となっている。原因・動機別を見ると、経済・生活問題、仕事疲れ・職場での人間関係の問題などが前年比増加している。2万人にも及ぶ自殺者の数は何としても減少させなければなりません。不安定な経済状況下で、生活の不安などがあると思いますが、職場では良好な人間関係の形成とハラスメント防止対策も重要事項です。総合的な対策の推進が従来以上に求められていると言えます。

事業所訪問活動について
メンタルヘルス対策促進員活動で、色々な業種の事業所を訪問させていただいています。社会福祉、医療、建設、飲食店、塾、税理士事務所などバラエティに富んでいます。最近訪問させていただいた事業所は、比較的小規模の事業所が大半でした。共通することは、アットホームな雰囲気で、小回りの利いたスピーディな仕事ぶりです。コミュニケーションも良く伝達も早いのが特徴です。メンタルヘルス問題が発生したときに困らないように、「京都産業保健総合支援センターがありますよ」と覚えていただければという願いで、センターのこともお伝えしています。事業所訪問の目的の一つで大切なことと考えています。

京都産業保健総合支援センターでは、精神科医など専門家の相談窓口、新入社員並びに管理監督者研修への講師派遣、各種のメンタルヘルス研修などが継続的に開催されていますので、是非活用いただければと思います。
 メンタルヘルス対策支援サービス https://www.kyotos.johas.go.jp/mental

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◇ メンタルヘルス対策支援サービスについて(無料)◇

 メンタルヘルス対策促進員が事業場に赴き、お手伝いいたします。

 ・管理監督者教育への講師派遣
 ・若年労働者教育への講師派遣
 ・「こころの健康づくり計画」策定に関する支援
 ・「職場復帰支援プログラム」作成に関する支援
 ・ストレスチェック制度の導入や実施後の職場環境改善等に関する支援

 詳 細→ https://www.kyotos.johas.go.jp/mental

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◇ 治療と仕事の両立支援サービスについて(無料)◇

当センターでは、治療を受けながら仕事を続けたい方、両立支援に
取り組む事業場の方からの相談に応じています。
https://www.kyotos.johas.go.jp/ryoritsu

*出張相談窓口を開設しております。【要予約】
 ・京都大学医学部附属病院  毎月第3水曜日( 9:30~12:30)
 ・京都府立医科大学附属病院 毎月第2木曜日(10:00~12:00)
 ・宇治徳洲会病院      随時
 ・市立福知山市民病院    随時
 ・京都市立病院       随時
 ・京都医療センター     随時
 ・京都第一赤十字病院    随時
 ・京都岡本記念病院     随時
 ・京都桂病院        随時
 ・京都第二赤十字病院    随時
 ・洛和会音羽病院      随時
 ・京都府立医科大学附属病院 北部医療センター  随時

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◆京都産業保健総合支援センターご利用案内◆
 https://www.kyotos.johas.go.jp/about
◆相談のご案内◆
 https://www.kyotos.johas.go.jp/consultation
◆研修・セミナーのご案内◆
 https://www.kyotos.johas.go.jp/training
◆図書・教材のご案内◆
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◆産業保健新着情報◆
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発 行 人 :松井 道宣   編 集 人 :清水 和義
編集協力:産業保健相談員・メンタルヘルス対策促進員・両立支援促進員
発行/配信:京都産業保健総合支援センター https://www.kyotos.johas.go.jp