バックナンバー

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京都産業保健総合支援センター メールマガジン 239号 2021/6/1

         発行:京都産業保健総合支援センター 所長 松井 道宣
         ホームページ:https://www.kyotos.johas.go.jp
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     当センター主催 産業保健研修会について

   6月研修会  開催中止

   7月研修会  開催の有無・受付開始日 未定

 研修会の再開が決まりましたら、ホームページ、メールマガジンでご案内いたします。ご迷惑をおかけいたしますが、何卒ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。

*コロナ禍における資格更新の特例措置について(京都府医師会H.Pより)

令和2年2月以降が有効期限の日医認定産業医については、資格更新ができずに更新期日を過ぎた場合であっても、当面の間、日医認定産業医としての活動が認められます。期日後に取得した単位も期日内に取得したとみなされますので、更新に必要な単位を取得した時点で資格更新の手続きをお願いします。

https://www.kyoto.med.or.jp/member/sports/pdf/202103sangyo-doctorJMA.pdf

※当センターが実施する「産業医研修会」について、付与できる単位は「生涯研修」のみとなります。
「基礎研修」を受講される方は、日本医師会の研修会情報をご覧ください。

  → http://jmaqc.jp/sang/index.php

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◇ 京都産業保健総合支援センター ホームページ情報 ◇

1)日本産業衛生学会 職域のための新型コロナウイルス感染症対策ガイド

2)厚生労働省 職場における熱中症予防情報

3) 令和3年度 産業保健関係助成金について

4)厚生労働省 企業向け 新型コロナウイルスに関するQ&A[更新]

5)日本産業保健法学会 第1回学術大会のご案内

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◇ これって惨事ストレス!?  ◇
    産業保健相談員(カウンセリング)  辰巳 朋子

 コロナ禍で、日本中が災害現場のようです。原稿を書いているのは5月17日。感染対策の中でエッセンシャルワーカーという用語を学んだり、医療現場や感染症対応窓口等での過酷な勤務状態が続いていることを見聞きするにつけ、それぞれの働く現場に「惨事ストレス」と呼んでもいいような事態が起こっていると感じられます。

 「惨事ストレス」というのは、凄惨な災害現場のような、逃げたり避けたりできない状況で強いストレスやショックを受け続けることを言い、消防署員等の救援する職種ではサポート対応がすでに取り組まれています。現在のような感染症対応が続く事態では、もっと幅広い職種であたかも災害現場のように、長時間労働やきつい判断、クレーム対応等が続いていませんか。何より、そこで働く人に以下のような症状が現れてきます。

 細かなミスが多くなる、眠れない、逆に過敏になる、無力感、怒り、罪責感、あるいは現実のことと思えないような感情のマヒ…これらは、異常な事態に対応しようとするヒトの正常な反応ですが、長期間その状態が続くと心配です。個人の努力では休めなくなってしまい、ひどくなるとうつ状態やPTSDと呼ばれる症状につながるのです。

 ご本人にできることは、体を休めることを優先して、できればきつい仕事を一時的に離れて日常を取り戻したり、安心できる人に想いを聴いてもらったり、気分転換をするのがお勧めです。職場にできることは、ねぎらいを伝えたり、休暇を保証することでしょう。

 燃え尽きてしまうことや仕事を止めるしかないと思い込むことは避けたいですね。仲間が辛くなっているのを感じ取ると、私たちは自分も落ち着かなくなってしまい、職場の雰囲気がピリピリしていきます。無理を続けてしまわないようにしましょう。免疫を下げずに健やかに働きたいですね。お元気で!

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◇ コロナ禍の渦の中での雑感 ◇
    メンタルヘルス対策促進員  今坂 一郎

 コロナ禍の渦中で、生きる方向が定められず悩んでいます。最初の緊急事態が宣言される直前、このコロナ禍は長引くであろうと直感しました。と申しますのは、グローバル資本主義が地球全体に蔓延り続ける現状を観ていて、人類は一体どこに向かおうとしているのかと、以前から考えていたからです。

 無意識にせよ「今だけ、金だけ、自分だけ」という新自由主義に染まった多くの人が、グローバル資本主義に邁進しています。ウイルスは地球上に数10億年前から生き続けていて、20万年前に誕生した人類よりはるか先輩です。そのウイルスが瞬く間に国境を越え、増え続ける人類を格好の宿主とするようになりました。まるでウイルスが人類の生き方に対して、警鐘を鳴らしているように感じます。

 アメリカの精神科医で「死ぬ瞬間」の著者であるキューブラー・ロスは、死期を控えた人の感情経験は、「否認」に始まり次に「怒り」、そしてある事が済むまでは等の「取り引き」、絶望を伴う「抑うつ」を経て、最後に受容という「受け入れ」に至る5段階をたどると説いています。グローバル資本主義の終焉すなわち死を、この5段階で捉えてみますと、具体的には表現しにくいのですが、ある種の気づきが生まれる気がします。

 ウイルスの蔓延防止策としての三密回避は、人との接触を極小にして、人とのつながり面で大切な信頼を含むコミュニーケーションづくりを減ずる策であると考えられます。視点が少し外れますが、三密回避は心理カウンセリングで必須とされる受容や共感が生まれるのを減らす策であるとも考えています。

 生物の進化と絶滅を基準とした地質時代的な区分、古生代、中生代、新生代という区分に応じて、現代は「人新世(ヒトシンセイ)」時代と称されるそうです。「人新世」とは、人類の活動が生態系の状態を決める最も重要な要因となった時代とされます。この観点から地球環境問題や気候変動が増加する現状についても憂慮しています。

 現今のコロナ禍は人類の生き方を根本的に問いただしていると考えます。妄想だといって笑われそうな偏見を抱きつつ、自分の生き方を自分自身で選択しなければならないという苦しみを感じています。

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◇ メンタルヘルス対策支援サービスについて(無料)◇

 メンタルヘルス対策促進員が事業場に赴き、お手伝いいたします。

 ・管理監督者教育への講師派遣
 ・若年労働者教育への講師派遣
 ・「こころの健康づくり計画」策定に関する支援
 ・「職場復帰支援プログラム」作成に関する支援
 ・ストレスチェック制度の導入や実施後の職場環境改善等に関する支援

 詳 細→ https://www.kyotos.johas.go.jp/mental
 お申込→ https://www.kyotos.johas.go.jp/wp/wp-content/uploads/2019/06/mental-s.pdf

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◇ 治療と仕事の両立支援サービスについて(無料)◇

当センターでは、治療を受けながら仕事を続けたい方、両立支援に
取り組む事業場の方からの相談に応じています。
https://www.kyotos.johas.go.jp/ryoritsu

*出張相談窓口を開設しております。【要予約】
 ・京都大学医学部附属病院  6月は随時に変更しております。
 ・京都府立医科大学附属病院 6月は随時に変更しております。
 ・宇治徳洲会病院      随時
 ・市立福知山市民病院    随時
 ・京都市立病院       随時
 ・京都医療センター     随時
 ・京都第一赤十字病院    随時
 ・京都岡本記念病院     随時
 ・京都第二赤十字病院    随時
 ・京都府立医科大学附属病院 北部医療センター  随時

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◆京都産業保健総合支援センターご利用案内◆
 https://www.kyotos.johas.go.jp/about
◆相談のご案内◆
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◆図書・教材のご案内◆
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◆産業保健新着情報◆
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◆メールマガジン(バックナンバー)◆
 https://www.kyotos.johas.go.jp/mailmagazine/back-number
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発 行 人 :松井 道宣   編 集 人 :清水 和義
編集協力:産業保健相談員・メンタルヘルス対策促進員・両立支援促進員
発行/配信:京都産業保健総合支援センター https://www.kyotos.johas.go.jp