バックナンバー
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京都産業保健総合支援センター メールマガジン299号 2025/6/2
発行:京都産業保健総合支援センター 所長 松井 道宣
ホームページ:https://www.kyotos.johas.go.jp
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当センター主催 産業医研修会ついて
6月~7月開催研修会 受付中
2025年4月以降実施の日医認定産業医研修会受講の単位管理等は、
日本医師会会員情報システム【MAMIS】に移行されます。
【MAMIS】マイページ登録を完了いただくようお願いいたします。
非会員の方も登録が必要です。
日本医師会産業医部会連絡協議会
・MAMIS稼働にあっての留意点
→Microsoft PowerPoint – 03産業医_(更新用)チラシ ver2
・令和7年度 第1回産業医Web研修会 開催案内
→ https://www.sangyo-doctors.gr.jp/Notice/Details/9030
・認定産業医更新手続きコロナ特例の終了について
→ https://www.sangyo-doctors.gr.jp/Notice/Details/9022
*セミナー・研修の詳細・お申込み
https://www.kyotos.johas.go.jp/training-new
・申込完了メール(自動)を受信されたことにより受付完了となります。
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◇ 新任のご挨拶 ◇
産業保健相談員(メンタルヘルス・医学) 岸 信之
4月1日より、産業医学の相談員に加わりました岸信之です。
昭和61年に大阪大学を卒業後、京都大学医学部附属病院精神科で1年間研修を受け、昭和62年からは国立療養所静岡東病院(てんかんセンター)にて2年間てんかんのレジデントとして臨床に携わりました。その後、公立豊岡病院精神科勤務を経て、平成10年から京都大学医学部附属病院デイケアセンターの助手となり、精神障害のリハビリテーションを専門としていました。平成18年4月からは京都桂病院精神科に勤務し、総合病院の精神科で外来診療や病院内のリエゾン・コンサルテーション業務を行ってきました。
産業医としては、平成18年に京都桂病院に赴任してから地方自治体の健康管理医(産業医)としてメンタルヘルスの不調を抱えた職員の休・復職支援や職員向けのメンタルヘルスの研修会を担当してきました。
私自身はチーム医療で多職種と連携することや地域精神医療のノウハウで精神疾患や障碍があっても専門職や非専門職と協力して支援を受けながら地域で生活していける連携に関心がありました。その縁もあって、西京医師会の先生方が立ち上げた西京区認知症地域ケア協議会にも参加させて頂き、認知症になっても安心して生活できる地域つくりを目指して活動してきました。
令和6年3月に京都桂病院を退職後、4月からは同じ志をもつ同僚と「合同会社Work」を設立し、産業医業務、教育研修業務、障碍を持つ人への福祉的支援を主な業務としています。現在、漸く1年余り経過したところで、縁あって当センターから声を掛けて頂き、4月から産業保健相談員として務めさせて頂くことになりました。38年間精神科医として診療してきた臨床経験と西京区での認知症の地域ケアの経験を活かして当センターでの相談業務に活かしていきたいと考えていますので、何卒宜しくお願い致します。
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◇ 改めて、心理的安全性を ◇
産業保健相談員(カウンセリング) 辰巳 朋子
この原稿を読んでいただく頃、雨は降っているでしょうか。四季が二季となり、紛争や災害、政治・社会状況等のニュースも社会の落ち着かなさを伝える昨今、この国の小中高生の自殺が、前年から16人増加で529人と報告されました。統計を取り始めた1980年以降最多とのこと。対応策も色々と行われて、保護者も教師も様々の支援者も、真面目に誠実に取組んでいるはずなのに、私達大人は何か、どこで何を…。
心理相談員として、今月は改めて「心理的安全性」をお伝えします。この言葉は、多国籍企業Googleにおいて「効果的なチームは、どのようなチームか」という調査の結果見出されました。問題だったのは、どのようなメンバーかではなくて「チームがどのように協力しているか」という側面であり、その中で特に重要だった特徴が、「心理的安全性」と翻訳されました。この結果は注目を集め、いかにして心理的安全性を作るかの企業研修も盛んです。つまり、今を生きる私達が協力し合う場面においては、人間関係のリスクを下げる配慮が最大限に重要だということがわかったのです。長年心理相談を受けてきますと、チームだけでなくて、家庭や学校、生活場面でも同じような人間関係の危機が潜んでいると思われるのです。
例えばこんな例はどうでしょうか。チームスポーツでよく見られる一致団結の空気は、異議を唱えにくい雰囲気を高めますが、皆が同じ方向を向いて「!」となっている時に、反対意見が表明されたら、それを私達は聞くことができるでしょうか。あるいは、問題やリスクに自分が気づいた時に、ためらわずに声をあげられるでしょうか。意見の対立が起こることでより良いアイデアが生まれるのだとか、前例や実績にこだわりすぎない、等というチャレンジ精神を、私たちは集団や組織の中で発揮できているでしょうか。
建設的なフィードバックを、ハラスメントと明確に区別して、次世代に伝えるコミュニケーションを願っています。
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◇ 杞憂らしき自問自答 ◇
メンタルヘルス対策・両立支援促進員 今坂 一郎
経済面が最優先される今の社会の在り方に強い疑問を感じています。人類は経済成長を目指し続けて、いったい何処にたどり着こうとしているのでしょうか。この先にどのような社会像が見えるのでしょうか。
新聞やテレビやネットなどのメディアの報道や専門家と称される人々の言説を見るかぎり、上に述べた疑問に的確に答えてくださるものがほとんど見当たりません。もっぱら眼につくのは、経済成長を後押しするための「投資」や「効率」や「収益」などに着目されたものばかりです。
私自身は「投資」や「株」は博打(バクチ)と見なして忌避し、これは一方の儲けは他方の損となるいわゆるゼロサムゲームに過ぎないと考えています。最近ではアメリカのトランプ大統領による関税闘争が眼につきますが、これはその一つの例であると見ています。また「効率」は時間を短縮させるという意味を含んでいることから、人類は時間まで操ることができるという錯覚に陥っていると思われます。
こうした方面の著書を適宜に選んで読みながら、数年前に読んだ平川克美氏の新書本「経済成長という病」を読み直したりしています。しかし自然に湧きあがってくる自問自答は弱まることなく、鎮まる気配が感じられません。
ものが乏しかった過去の時代には、政治や企業はもとより労働生活者においても、すべてが合理的に行動していると信じられていました。また30年程前には、皆が同じような方向に向っていましたので、その流れに添っておれば楽に生きることができて、しかもそれで良いとも思われていました。
社会や国家というものは、生きているひとり一人の人間の考え方と行動の積み重ねによって築かれます。現在のような経済面を優先する多様化、かつ過剰・飽満・過多化した社会においては、過去に信じていたことを見直す必要があり、以前のような楽な生き方で進むのは危険ではないかと考えています。日常の考え方や行動を見直さねばならないとの思いが強くなるばかりです。
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◇ 産業保健スタッフ研修会のご案内 ◇
『熱中症対策について(改正安衛則を含む)』
日時:令和7年6月23日(月) 14:00~16:00
講師:京都産業保健総合支援センター 相談員 谷口 誠
『パワハラを臨床心理学的に考える3―相談者が知っておくべきことー』
日時:令和7年6月24日(火) 14:00~16:00
講師:(株)ホリスティックコミュニケーション 代表取締役 豊田直子氏
会 場:アーバネックス御池ビル会議室 (東館2階)
参加費:無料
お申込: https://www.kyotos.johas.go.jp/training#training02
※日医認定産業医の単位は付与されません。
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◇メンタルヘルス対策支援サービスについて(無料)◇
促進員が事業場に赴き、お手伝いいたします。
・管理監督者教育への講師派遣
・若年労働者教育への講師派遣
・「こころの健康づくり計画」策定に関する支援
・「職場復帰支援プログラム」作成に関する支援
・ストレスチェック制度の導入や実施後の職場環境改善等に
関する支援
詳 細→ https://www.kyotos.johas.go.jp/wp/mental
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◇ 治療と仕事の両立支援サービスについて(無料)◇
当センターでは、治療を受けながら仕事を続けたい方、両立支援に取り組む事業場の方からの相談に応じています。
→ https://www.kyotos.johas.go.jp/wp/ryoritsu
*出張相談窓口を開設しております。【要予約】
・京都大学医学部附属病院 毎月第3水曜日( 9:30~12:30)
・京都府立医科大学附属病院 毎月第2木曜日(10:00~12:00)
・京都市立病院 毎月第1金曜日(11:00~12:00)
・京都第二赤十字病院 随時
・京都第一赤十字病院 随時
・京都桂病院 随時
・京都医療センター 随時
・洛和会音羽病院 随時
・宇治徳洲会病院 随時
・京都山城総合医療センター 随時
・京都岡本記念病院 随時
・市立福知山市民病院 随時
・京都府立医科大学附属病院 北部医療センター 随時
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◇健康保持増進のための職場訪問支援サービスついて(無料)◇
仕事中の「転倒災害」や「腰痛」等の労働災害に向けて、産業保健相談
員が事業場を訪問して健康測定・チエック、社内セミナーの実施や実技指
導、運動アドバイス等を行います。
健康で安心して働ける職場環境の形成を支援するという産業保健の観点
から、理学療法士の相談員による「運動指導等を通じた労働者の健康保持
増進のための支援」を実施することとなりました。ぜひご利用ください。
詳細→ https://www.kyotos.johas.go.jp/health-work-support-visit
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◇ 令和7年度 両立支援コーディネーター基礎研修 ◇
今年度の日程が公表されました。
第1回・第2回募集中(~6月6日(金)17:00まで)
オンライン形式(動画配信研修+WEBライブ講習)での開催です。
応募者多数の場合は厳正なる抽選のもと、受講者を決定いたします。
→ https://www.ryoritsuco-kensyu.johas.go.jp/johasryoritu2025/
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◇ 両立支援コーディネーター基礎研修を受講された皆様へ ◇
メールアドレス、ご所属先など登録情報の変更がございましたら
以下のアドレス宛てにご連絡ください。
労働者健康安全機構勤労者医療課
両立支援コーディネーター養成研修事務局
E-mail: co-ryoritu@m.johas.go.jp
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◇ 労災疾病等医学研究普及サイトの御案内 「メタボローム」について ◇
当機構では労働災害の発生状況や行政のニーズを踏まえ、労災補償政策上重要なテーマや新たな政策課題について、時宜に応じた研究に取り組んでおります。「労災疾病等医学研究普及サイト」では、これまで実施してきた研究成果について掲載しています。
今回はその中で令和5年度に研究報告書を作成した研究開発テーマ「メタボローム」のうち「血漿メタボローム解析による過労死等関連生化学的指標の確立」に関する研究報告のご紹介です。
我が国においては、長時間労働による心臓・脳血管疾患のリスクが高まる危険性についてはこれまで数々の報告がなされており、過労死等の防止の観点から働き方改革関連法に基づく働き方改革等の取組や過重労働対策等が講じられています。
本研究では過労死の中でも特に心血管疾患に至る予測因子・関連因子となる指標の確立を目指しました。
研究の結果により、従来の指標よりも早期に診断可能となる新規の指標を明らかにし、過労による心血管疾患リスクの高い状態を早期に診断できる可能性が示唆されました。なお、詳細な研究内容については、下記URLからご覧いただけます。
→ https://www.research.johas.go.jp/metabolome/index.html
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◆京都産業保健総合支援センターご利用案内◆
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◆相談のご案内◆
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◆研修・セミナーのご案内◆
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◆図書・教材のご案内◆
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◆産業保健新着情報◆
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発 行 人 :松井 道宣 編 集 人 :田中 巧
編集協力 :産業保健相談員 メンタルヘルス対策・両立支援促進員
発行/配信:京都産業保健総合支援センター https://www.kyotos.johas.go.jp