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京都産業保健総合支援センター メールマガジン270号 2024/1/4

        発行:京都産業保健総合支援センター 所長 松井 道宣
        ホームページ:https://www.kyotos.johas.go.jp
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 新年明けましておめでとうございます。

 先ずは、この度の震災に遭われた皆様にお見舞い申し上げますとともに、 一日も早い復興を心よりお祈り申し上げます。

 旧年中は京都産業保健総合支援センターの業務運営に格別のご協力を賜り、誠にありがとうございました。
 さて、国際情勢の不透明化、AIなどの急速な技術革新などで、我が国を取り巻く環境は、益々予断を許さない状況となっておりますが、晴れがましい新年に硬い話しは横に置き、職場の労務管理、取り分け安全衛生管理について少し感じたことをお話し申し上げたいと思います。
 ノーベル平和賞の受賞者であるマザー・テレサに次のような言葉があります。
  思考に気をつけなさい、それはいつか言葉になるから。
  言葉に気をつけなさい、それはいつか行動になるから。
  行動に気をつけなさい、それはいつか習慣になるから。
  習慣に気をつけなさい、それはいつか性格になるから。
  性格に気をつけなさい、それはいつか運命になるから。
 彼女の言葉の中でも有名な一文なので、聞いた事のある方も多いと思います。
 運命になる過程を解きほぐすと、それは言葉であり、行動であり、習慣であり、性格である。そしてそれがいつしか運命になるということを言っています。
 この言葉は、思考は運命になるということを伝えています。
 私が申し上げるまでもなく、ほとんどの問題は放っておくほど大きくなり、手に負えなくなります。
 それならば、最初の思考の部分から変えて行くことが、問題解決の早道ということになります。

 また、仏教にも「因果応報」という言葉があります。
 私たちの生きているこの世で起きることにはすべて原因即ち「因」があり、そこで起こったものが結果即ち「果」です。
 原因があって結果があり、結果が次の原因となる。そうして物事がつながっていく。そう考えるならば、現在の行動は過去の「果」であり、未来の「因」と言えます。

 職場の安全衛生管理について、この考え方は非常に示唆に富んでいると思います。
 経営者も労働者も日々健康で安全に働いてもらうこと、また働けることを願いながら、労働災害の芽はないか、仕事で悩んでいる者はいないかと職場を見つめ、今日も無事に仕事を終えられたことにお互いが感謝する。
 その気持ちが、職場の安全衛生水準の向上となり、それは職場全体の士気の向上ともなり、ひいては業績全体の向上につながっていくものと思います。
 近年、我が国では「働き方改革」が叫ばれています。
「働き方改革」と言うと何か難しいことをつい考えがちですが、経営者も労働者も仕事ができることに感謝の気持ちが持てたなら、その職場には、いじめもパワハラも、ましてや過労死などは存在するはずもありません。
 そんな気持ちを持つこと、持てることが、「働き方改革」を実現させる早道ではないのでしょうか。

 どうぞ皆様、本年もよろしくお願い申し上げます。
 新しい年が更に良い年になりますよう祈念申し上げまして、私の新年の挨拶とさせていただきます。
                       副所長  小見 伸雄

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        当センター主催 産業医研修会ついて

      1月開催研修会     受付中
      2月・3月開催研修会  1月5日(金)午後 受付開始

  *ホームページをリニューアルしました。
   申込完了メール(自動)を受信されたことにより受付完了となります。
 「kyotos.johas.go.jp」ドメインからのメールが受信できるよう
  設定のご確認をお願いたします。 

  
 *セミナー・研修の詳細・お申込み
  → https://www.kyotos.johas.go.jp/training-new   
 *日本医師会の産業医情報(資格更新の特例措置、Web研修会等)
  → https://www.sangyo-doctors.gr.jp/

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◇ 京都産業保健総合支援センター ホームページ情報 ◇

1)京都府「令和5年度肝炎コーディネーター養成研修会」追加開催
 のご案内
2)厚生労働省 新型コロナウイルス感染症の罹患後症状について

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◇ リスクアセスメントによる化学物質の自律的管理への移行について ◇
    産業保健相談員(労働衛生工学)  岡本 浩

 これまで化学物質の管理は有機則や特化則など特別則で規制された管理が進められてきました。しかし、厚生労働省の調査では年間約450件で推移している化学物質による休業4日以上の労働災害(がん等の遅発性疾病を除く)の8割は、規制されていない化学物質によるものとされています。GHS分類ですでに危険性・有害性が確認された約2,900物質すべてについて5年後を目途に自律的管理を完遂させ、労働災害を未然に防ごうとしているのです。リスク評価の実施率が上向かないままに、2024年度には904物質にまでその対象数が拡大されます。零細企業を含む多くの事業場に、この考え方の転換が本当にどれだけ理解されていくのか懸念します。
 (一社)日本労働安全衛生コンサルタント会機関誌「安全衛生コンサルタントNo148」の自律的管理への転換に向けて、お二人の記事から一部紹介します。はじめに巻頭言の田村紀裕コンサルタント会常任理事が自律的管理をスポーツに置き換えて「最近のスポーツ界の世界の変化が著しいのはご存じだと思います。従来からの監督・コーチの方針や指示通りにやるというスタイルから、自分たちで考えて高いレベルを目指してそれを楽しむという新しいスタイルへの変化です。正に自律的な管理のイメージを象徴しているのではないでしょうか。ルール・命令ではなく、目的やプロセスを追求する姿は尊いものです。」私は、山登りを趣味としていますので、この例えはよく理解できます。
 同機関誌編集後記には産業医学で著名な森晃爾先生が「新しい化学物質管理は、ほんとうに日本に根付くのだろうか。かなり悲観的に考察してみたい。」私が懸念する本音が分かりやすく書かれています。紹介したいのですが、またの機会にします。

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◇ 睡眠の大切さ ◇
    メンタルヘルス対策促進員  金丸 京子

 私は、中学生の時、とにかく毎日ひたすら眠りたいと思っていました。バス通学の中で、運転手さんから「終点ですよ。」と起こされたことが何度もありました。中学2年生の夏の白馬岳登山から帰ってきた時は、14時間連続で眠り、両親、とりわけ母を心配させました。いつも十分眠ったという充足感が得られず、睡眠不足の日々でした。
 ところが還暦を過ぎた今、連続で7時間や8時間眠るのは体力が必要なのだと痛感しています。あんなに眠りたかったのに、連続で5時間も眠れれば良い方になってしまいました。
 ところで、厚生労働省は、令和5年10月2日「健康づくりのための睡眠指針の改訂について(案)」を公表しました。「第2回 健康づくりのための睡眠指針の改訂に関する検討会の議事録」等とともに、合計6ページのスライド「資料1」においては、「睡眠指針2023(仮称)」として「改訂案」が示されています。
 それによりますと、既存の研究結果等を踏まえ、年代別(①成人、②こども、③高齢者の区分)で睡眠に係る推奨事項を設定。ライフステージ別の睡眠に係る推奨値についての情報を整理し、エビデンスレベルに基づいた構成に改訂とのことです。
 例えば「成人版」では毎日の睡眠時間を6時間以上確保することを推奨。「睡眠休養感」確保のため適正な生活習慣や睡眠環境を整備すること等を推奨。等の記載があります。
 「睡眠休養感」とは、朝目が覚めたときに睡眠によって十分に休息が取れたという感覚を指す言葉だそうです。今の私に一番必要かつ欲している内容だと思いました。同時に、体調維持においても毎日が充実したと感じるためにも、睡眠を適切に取る重要性に、このたびの改訂案を通していろいろ気づかされました。
 いずれ睡眠指針2023(仮称)の(仮称)が取れ、睡眠指針2023となって正式な指針になった時には、メンタルヘルス促進員としての事業活動の一つである、管理監督者及び若年労働者向けメンタルヘルス教育等でもお伝えしていけたらと思っています。

参考 いずれも出典:厚生労働省
 ・健康づくりのための睡眠指針の改訂について(案)
  https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001151834.pdf

 ・「健康づくりのための睡眠指針2014」「~睡眠12箇条~」
   (平成26年3月31日公表)

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       産業保健スタッフ研修会のご案内

*働く女性の健康課題と知っておきたい制度
  ~男女共に働きやすい職場づくりのために~
  日時:令和6年1月25日(木) 14:00~16:00 
  会場:アーバネックス御池ビル2階会議室
  講師:株式会社JUMOKU 代表取締役 長井 聡里 氏

*金属アーク溶接等作業の法規制で必要とされる措置等について
  日時:令和6年1月26日(金) 14:00~15:30 Web(Zoom)
  講師:京都産業保健総合支援センター 相談員 岡本 浩

詳細・お申込: https://www.kyotos.johas.go.jp/training#training02
 ※日医認定産業医の単位は付与されません。

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    両立支援コーディネーター基礎研修を受講された皆様へ

  メールアドレス、ご所属先など登録情報の変更がございましたら
  以下のアドレス宛てにご連絡ください。

       労働者健康安全機構勤労者医療課 
       両立支援コーディネーター養成研修事務局
       E-mail: co-ryoritu@honbu.johas.go.jp

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◇ メンタルヘルス対策支援サービスについて(無料)◇

  メンタルヘルス対策促進員が事業場に赴き、お手伝いいたします。

   ・管理監督者教育への講師派遣
   ・若年労働者教育への講師派遣
   ・「こころの健康づくり計画」策定に関する支援
   ・「職場復帰支援プログラム」作成に関する支援
   ・ストレスチェック制度の導入や実施後の職場環境改善等に
    関する支援
    詳 細→ https://www.kyotos.johas.go.jp/mental

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◇ 治療と仕事の両立支援サービスについて(無料)◇

 当センターでは、治療を受けながら仕事を続けたい方、両立支援に
 取り組む事業場の方からの相談に応じています。
  → https://www.kyotos.johas.go.jp/ryoritsu

*出張相談窓口を開設しております。【要予約】
  ・京都大学医学部附属病院  毎月第3水曜日( 9:30~12:30)
  ・京都府立医科大学附属病院 毎月第2木曜日(10:00~12:00)
  ・京都市立病院       毎月第1金曜日(11:00~12:00)
  ・京都第二赤十字病院    随時
  ・京都第一赤十字病院    随時
  ・京都桂病院        随時
  ・京都医療センター     随時
  ・洛和会音羽病院      随時
  ・宇治徳洲会病院      随時
  ・京都山城総合医療センター 随時
  ・京都岡本記念病院     随時
  ・市立福知山市民病院    随時
  ・京都府立医科大学附属病院 北部医療センター 随時

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◆京都産業保健総合支援センターご利用案内◆
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発 行 人 :松井 道宣  編 集 人 :小見 伸雄
編集協力 :産業保健相談員・メンタルヘルス対策促進員・両立支援促進員
発行/配信:京都産業保健総合支援センター  https://www.kyotos.johas.go.jp