バックナンバー

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京都産業保健総合支援センター メールマガジン263号 2023/6/1

        発行:京都産業保健総合支援センター 所長 松井 道宣
        ホームページ:https://www.kyotos.johas.go.jp
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       当センター主催 産業医研修会ついて

        6月~7月開催研修会  受付中

 *ホームページリニューアル!!
  複数お申込や、キャンセル待ち、キャンセルが簡単にできるように
  なりました。
  申込完了メール(自動)を受信されたことにより受付完了となります。
  「kyotos.johas.go.jp」ドメインからのメールが受信できるよう
  設定のご確認をお願いたします。 
  
 *セミナー・研修の詳細・お申込み
  → https://www.kyotos.johas.go.jp/training-new   
 *日本医師会の産業医情報(資格更新の特例措置、研修会等)
  → https://www.sangyo-doctors.gr.jp/

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   ◇ 京都産業保健総合支援センター ホームページ情報 ◇

1)厚生労働省 「第10回 個人事業者等に対する安全衛生対策のあり方に
 関する検討会」議事録を公表
2)令和5年度両立支援コーディネーター基礎研修日程(第1回~3回)のご案内

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◇ チームが活性化する 『職場の心理的安全性』 ◇

    産業保健相談員(カウンセリング) 森崎 美奈子

1.はじめに

 ここ数年、ビジネスの世界で「心理的安全性」が注目されています。
〝心理的安全性〟とは、組織論の話であり、生産性活動に繋がる理論ですが、激変する社会情勢のなかで、産業保健スタッフ等には労働者の健康を守り、企業の経営に貢献するために、産業現場の最新の動向や情報を適切に知る事、時代のニーズに対応できる事が求められます。〝心理的安全性〟を、職場改善・組織づくりへ応用し、従業員の心身の健康づくりと事業成果(生産性)向上へ貢献できるのではないでしょうか。

2.心理的安全性とは何か

 〝心理的安全性(psychological safety)〟とは、組織の中で自分の考えや気持ちを誰に対してでも安心して発言できる状態であり、ハーバード大学のエイミー・エドモンドソン教授が1999年に〝チームの心理的安全性〟という概念を提唱しました。心理的安全性とは「チームの他のメンバーが自分の発言を拒絶したり、罰したりしないと確信できる状態」です。メンバー同士の関係性として「このチーム内では、〝メンバーの発言や指摘によってチーム内の人間関係の悪化を招くことはない〟という安心感がメンバー間で共有されていること」が重要なポイントです。心理的安全性が高い状況のチームでは、メンバーはどんな疑問・質問やアイディアを提案してもチーム内で受け止めてもらえると信じているので、思いついたアイディアや考えを率直に発言することができる安心感があるのです。産業保健スタッフが、風通しの良い組織風土づくりを目指しているメンタルヘルス活動と同じ視点と言えると思います。

3.Googleの研究

 心理的安全性の理論がビジネスの世界で注目されたのは、Googleが、生産性の高い働き方をしているのはどのようなチームなのかを検証するプロジェクトを立ち上げ、2015年に〝成功するチームは心理的安全性が高い〟と発表してからです。生産性アップの成功ポイントとして、チームに心理的安全性(psychological safety)、信頼性(Dependability)、構造と明瞭さ(Structure & clarity)、仕事の意味(Meaning of work)、インパクト(Impact of work)の5つが関係していること、そのためには、チームとしての生産性が向上する環境づくりが大切なことが明らかにされたのです。更に、生産性の高いチームには、「均等な発言機会」と「社会的感受性の高さ」の二つの要素が見られたのです。メンバーに均等な発言の機会があり、メンバーに社会的感受性があるチームは生産性が高くなるとの事が明らかにされました。
 メンバーに気兼ねなく発言できる職場環境が生産性の高いチームをつくる基礎であることが示唆されます。メンタルヘルス活動やストレスチェック後の結果活用に取り入れて、職場改善を効果的に推進する際に導入が望まれる視点と言えましょう。

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◇ 近頃のモヤモヤ・イライラ ◇

    産業保健相談員(カウンセリング) 辰巳 朋子

 地震は続くし、天候は不順だし、コロナ感染はどうなっているかよくわからないし、なんか奇妙な事件の報道は続くし…こんな状態を私たちは「不安」と呼ぶことができます。カウンセラーたちは、なんとなくのぼんやりした恐れの感情や落ち着かなさと解説したり、何か良くないことが起こりそうだから準備をするよう、教えてくれているのだと説明したりします。こんにちは、カウンセラーの相談員、辰巳です。
 そして、地震や事故のような一気に破局が見える場合はその復興期に、感染症対応のように時間をかけて状況が変化していく場合は打ち出された社会政策の展開によって、社会不安の波が高くなるように思われます。皆が同じことを経験している一体感はなく、人によってさまざまに、なくしたものが異なり、受けた影響が違っていることがわかっているのです。職場の顔触れが変わり、クラスメイトやクラブのメンバー等同じ場所に集った仲間がいつの間にか変化しています。なじみの通りの店も変わっているかも知れません。
 状況の変化がある時には、不安になるのがヒトの正常な反応です。これまでに見慣れた顔触れが変わり、なんとなくわかりあえた安心感がなくなったのです。しかも、この「不安」という感情は私たちをソワソワとさせますし、時にはイライラする怒りの感情に化けていくこともよく起こります。語りやすい話題で妙に盛り上がったり、話し始めたことが終われなかったりすることが起こっていませんか。
 こんな気持ちが続くときには、次のような対応をすると少し落ち着いたり、心が整ったりすることが分かっています。

その1、自分が不安になっていることを認める(弱いからとか失敗したからではない)。
その2、その時(あるいは今)、すぐに出来る小さなことをする。
その3、不安が強くなると動けなくなることもあり、これも一つの適応の仕方と心得る。

 その2の最小の動きとして、「自分の呼吸に注目して、自分の体がふくらんだりしぼんだりするのを感じてみる」ということをご紹介して、このページを終わります。

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◇ 快適職場作りの一方法 ◇

    メンタルヘルス促進員 西村 和記

 「6月病」の表現を目にするようになって久しいですが、皆様や皆様の周囲の方はいかがでしょうか?

 5月病は新入社員や人事異動など環境変化のあった方が、新しい環境へ適応できなかったり、逆に過剰適応して疲れ果てたり、なんとなく体調が悪い、やる気が出ないなど心身に不調が現れる状態と言われています。

 6月病は、環境の変化に適応しようと緊張状態が続き、自分でも気づかないうちにストレスや疲労をため込み徐々に心や体に不調がでてきてしまう状態です。新社会人だけでなく転職や異動・昇進などをした人にも現れます。5月病が急性に起こっているものとすれば、6月病はより慢性的に続く可能性がありえます。症状では不眠、頭痛、めまい、吐き気、食欲不振などがあげられますが、梅雨の時期の不安定な気候も影響し、なんとなく体がだるく不調を感じるなど人によって様々です。周囲の気配りと声掛けが大切です。

 ところで、ハロッズに次いで英国で大きな高級百貨店チェーンのセルフリッジズの創業者ハリー・ゴードン・セルフリッジの言葉として数年前からSNS等でよく引用されている内容に次のものがあります。

1 ボスは部下を追い立て、リーダーは部下を導く
2 ボスは権威を振るうが、リーダーは志を信じる
3 ボスは恐怖を引き起こすが、リーダーは情熱を持たせる
4 ボスは「私は」と言うが、リーダーは「我々は」と言う
5 ボスは失敗の責任を負わせるが、リーダーは失敗から学ばせる
6 ボスはやり方を知っていても教えないが、リーダーはやり方を分かち合う
7 ボスは「やれ」と命じるが、リーダーは「さあ、やろう」と言う
8 スは仕事を「苦役」に変えるが、リーダーは仕事を「ゲーム」に変える

 以上ですが、あるべきリーダー像として憧れる方が多いようです。この「リーダー」を「私」に代えて実行できると職場快適化に貢献できるのではないかと思います。場合によりこのような小話も入れつつ管理監督者研修や若年労働者研修を行っていますので、センターのメンタルヘルス対策支援事業をどうぞご利用下さい。

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      産業保健スタッフ研修会のご案内

【Web】TA心理学アドバンス編 全3回シリーズ』
  第3回:パーソナリティ理論  令和5年6月21日(水)
 時間:14:00~16:00 (Zoom)
 講師:(株)ホリスティックコミュニケーション
    代表取締役社長 豊田 直子 氏

『ストレスチェック実施後の職場環境改善の実施方法』
 日時:令和5年6月28日(水) 14:00~16:00
 場所:アーバネックス御池ビル東館 2階会議室
 講師:京都産業保健総合支援センター 相談員 花谷 和雄

【Web】新たな化学物質規制に対応した化学物質のリスクアセスメント
 「CREATE-SIMPLE法」について

 日時:令和5年7月3日(月) 14:00~16:00 (Zoom)
 講師:京都労働局 労働基準部長 岸 泰広 氏

『実践力アップセミナー 職場のハラスメント対策向上編
   ~『これってパワハラですよね』と言われた時に~』
 日時:令和5年7月12日(水) 14:00~16:00
 場所:アーバネックス御池ビル東館 2階会議室
 講師:京都産業保健総合支援センター 相談員 辰巳 朋子

『若年性認知症の方の就労継続支援 (第1回)共催:京都府』
 日時:令和5年7月22日(土) 14:00~16:00
 場所:京都府医師会館 3階会議室
 講師:京都府医師会 認知症対策担当理事 西村 幸秀 氏 他

詳細・お申込: https://www.kyotos.johas.go.jp/training#training02
       ※日医認定産業医の単位は付与されません。

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     両立支援コーディネーター基礎研修を受講された皆様へ

  メールアドレス、ご所属先など登録情報の変更がございましたら
  以下のアドレス宛てにご連絡ください。

       労働者健康安全機構勤労者医療課 
       両立支援コーディネーター養成研修事務局
       E-mail: co-ryoritu@honbu.johas.go.jp

 *令和5年度の「両立支援コーディネーター基礎研修」につきましては、
  引き続きオンライン形式で開催します。
  第1回から第3回の日程を公表しています↓↓↓
  https://www.johas.go.jp/ryoritsumodel/tabid/2126/Default.aspx

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◇ メンタルヘルス対策支援サービスについて(無料)◇
  メンタルヘルス対策促進員が事業場に赴き、お手伝いいたします。

   ・管理監督者教育への講師派遣
   ・若年労働者教育への講師派遣
   ・「こころの健康づくり計画」策定に関する支援
   ・「職場復帰支援プログラム」作成に関する支援
   ・ストレスチェック制度の導入や実施後の職場環境改善等に
    関する支援
    詳 細→ https://www.kyotos.johas.go.jp/mental

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◇ 治療と仕事の両立支援サービスについて(無料)◇

 当センターでは、治療を受けながら仕事を続けたい方、両立支援に
 取り組む事業場の方からの相談に応じています。
  → https://www.kyotos.johas.go.jp/ryoritsu</p>

*出張相談窓口を開設しております。【要予約】
  ・京都大学医学部附属病院  毎月第3水曜日( 9:30~12:30)
  ・京都府立医科大学附属病院 毎月第2木曜日(10:00~12:00) 
  ・京都市立病院       毎月第1金曜日(11:00~12:00)
  ・京都第二赤十字病院    随時
  ・京都第一赤十字病院    随時
  ・京都桂病院        随時
  ・京都医療センター     随時
  ・洛和会音羽病院      随時
  ・宇治徳洲会病院      随時
  ・京都山城総合医療センター 随時
  ・京都岡本記念病院     随時
  ・市立福知山市民病院    随時
  ・京都府立医科大学附属病院 北部医療センター 随時

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◆京都産業保健総合支援センターご利用案内◆
 https://www.kyotos.johas.go.jp/about
◆相談のご案内◆
 https://www.kyotos.johas.go.jp/consultation
◆研修・セミナーのご案内◆
 https://www.kyotos.johas.go.jp/training-new
◆図書・教材のご案内◆
 https://www.kyotos.johas.go.jp/material
◆産業保健新着情報◆
 https://www.kyotos.johas.go.jp/archives/news
◆メールマガジン(バックナンバー)◆
 https://www.kyotos.johas.go.jp/mailmagazine/back-number

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 TEL: 075-212-2600 FAX: 075-212-2700

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発 行 人 :松井 道宣  編 集 人 :小見 伸雄
編集協力 :産業保健相談員・メンタルヘルス対策促進員・両立支援促進員
発行/配信:京都産業保健総合支援センター  https://www.kyotos.johas.go.jp