健康情報"ほっと一息"

治療が必要になったときに知りたい情報 ⑥休職期間中に会社が行うこと

  • 従業員が休職している間に会社の担当者が行った方が良いことはありますか?

  • はい。休職中に会社が何も対応していないと、休職者(従業員)から突然、主治医の「復職可能」の診断書が出されたときに慌てることになります。
    「本当に復職させて大丈夫??」と心配したり…。

  • そうならないために、あらかじめ段取りを考えておきたいですね。

  • 従業員が休職している間に、会社が対応することとして望ましいことは次のことが考えられます。
    ① 休職者の状況確認
    ② 復職に向けた準備
    ③ 休職者の周辺者への配慮

  • ① 休職期間中の状況確認とは?

  • ・現在の症状 ・治療状況 ・休職の目安についての主治医の意見 ・本人の復職の希望 ・復職についての主治医の意見 ・日常生活状況  などです。

  • 休職中のフォローアップとして、あらかじめ連絡方法を決めておき、定期的にこれらのことを把握するとともに、休職者の不安や悩みがないかを確認しておくことで、復職の見通しを立てやすいですね。

  • ある事業場では、月に1度の連絡をルールにして状況確認をしています。

  • ② 復職に向けた準備とは?

  • 復職までの流れを休職者(従業員)にも理解してもらうことです。特に、会社が「職場復帰が可能」と判断する条件は、早めに提示することをお勧めします。
    一般的には以下の3点です。・本人に職場復帰の意思が充分にある・就業に必要な労働などを持続的に遂行できる・職場側が職場復帰を受け入れる準備がある

  • 復職は「主治医の診断書さえあればOK」というわけにはいかないのですね。

  • はい。本人に復職したい気持ちがあっても、まだ安全に労働できる状態でなかったり、職場側の受け入れ準備ができていないと、復職することが体調悪化に繋がる場合もあります。ここは従業員、会社の双方がしっかり確認しておいていただきたいポイントです。

  • もう1つは、③周辺者への配慮ですね。

  • はい。この続きは次回にしましょう。

【参考資料】
立石清一郎ほか 「産業保健スタッフに必要な疾患の知識と最新の治療」メディカ出版(2020年)
松平浩 “治療と仕事の両立支援”活動・評価指標チェック30解説書 東京大学医学部附属病院22世紀医療センター(2020年)
  → https://ryoritsu-check.work/checksheet30.html
近藤明美ほか 「がん治療と就労の両立支援」日本法令(2017年)